神埼邸の料理番

のんびりとした神崎邸でのお昼

せっかくだからとお昼ごはんをごちそうしてくれるらしい

…断るのも悪いのでOKしたが…めっちゃ緊張する!

え?何でかって?…えっとな…



((((食堂…広くね?))))


そもそも家に食堂があることに驚くべきなのだろうが

そんな余裕はない!…いや、まじて広いな!?

体育館くらいあるぞ!?


あと…



((((シェフがいるんですけど!?))))


あと、使用人っぽい人達がお昼休憩を

してるみたいだ…すっごいなおい…


「ねぇ秋兎くん」


「何だよ舞?」


「凄すぎない?」


「凄すぎるな」


「凄すぎますね」


「アニメでしか見たことないレベルだな。」


「部屋で食事をしようかと思ったんだけど、わざわざメイドさんに持ってきてもらうのも悪いし…ごめんね?」



「いや、いい経験になるよ。」


まさか、友達の家で飯食うのに注文をする

過程を挟むとは思わなかったが

思わずいつもの癖で財布を出すところだった

あと、メニューがめちゃくちゃ豊富だった…

そんなことを考えているとビーッ!ビーッ!と

フードコートで鳴るブザーが鳴り…いや

渡されたときは驚いたがもう驚かんぞ!

さて…取りに行くか


料理をそれぞれ運び席について手を合わせ

食事を始めた…ちなみに俺はカツ丼だ。

正直、ちょっと遠くても通いたいレベルでうまい。



「う、うますぎる…ヤバイ…俺の中の海原雄山が溢れそうになる!」



凛さんがザバの味噌煮定食を食べていた。

何だよ俺の中の海原雄山って?


舞は唐揚げかな?



「凄いわねこれ…専門店も自分の店の看板叩き壊すレベルで美味しいわ」



「例えが独特だな!?」


「…カツ丼も鯖の味噌煮も唐揚げも美味しい!」


そして冬花よ…全部単品とは言え…


「食べすぎじゃない!?」


「だ、だって私が悩んでたらコックさん達が残したら持って帰っていいから好きなだけ頼みな?って言ってくれたから」




「優しいなコックさん!?」



「ここは料理人を目指してる人の練習の場でもあるからね、たくさん作りたいし食べてもらいたいんだけ思うよ?」



「なるほどな」


神崎食品…手広いな!?


「ふぅ…ごちそうさまでした!」


ペロリだったな…

皆も食べ終えたようで食器をもって

キッチンに向かった


「「「「「ごちそうさまでした!」」」」」


俺達がそう言うとキッチンの皆さんが

親指を立てた


何だここのコック達…かっこいいな!?


「…私も立つところだったわ!」


どこがだよ!とは聞かない。

返答が分かったから。


「楽しんでいただけましたかな?」


俺達が食器をおくのとほぼ同じタイミングで

後ろから誰か話し掛けてきた。



「えっと…」


「失礼しました。わたしは神崎 大道(だいどう)。巡の父です。」



「「「「失礼しました!」」」」



人間は驚きすぎると謝るらしい。

俺、覚えた。


「ははは、面白い方々だ。また、いつでもいらしてください。」



「「「「はい!」」」」



俺達は人生でも上位レベルのいい返事をした。

リアル覇王色の覇気を感じた気がした。

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