番外【神埼からと…】

のんびりとした誕生日会後

泊まらないか?と誘われたが明日学校なので

さすがに断ったあと

家でのんびりしていると

チャイムが鳴り宅配が届いた。




「「……?」」


覚えがない宅配物をテーブルの上に置き

冬花と2人で不思議そうに見ていたら

しびれを切らした冬花が話し掛けてきた



「ねぇ兄ちゃん」


「何だよ冬花?」


「神埼先輩の名前が書いてあるね?」


「書いてあるな。」


「確かにプレゼントの話題が出た気がするね?」


「だな…」


「「……なんか緊張するね(な)?」」


さすが兄妹…シンクロした…

いや、そりゃ天下の神埼食品の跡取りからの個人的な

プレゼントである…

あまりこうゆう期待の仕方はいけないとは

思うのだが、やっぱり期待は膨らんでしまうもので…



「だ、大丈夫かな兄ちゃん…手袋とかした方がいいのかな?」



「いや、流石に…いや、いるかもな。」


俺がそう言うと冬花は軍手をはめてきた


「何か分からんが軍手なら素手の方がいい気がしないか?」


「私も着けてから思った!」


「まぁ、着けた方が安心だもんな。」


「言い方が嫌だ」


「…?なんで?」


「な、なんでもない。」


何か冬花が若干照れてしまった…どうした?

まぁ、いい加減開けるか…


「よし…開けるぞ冬花!」


「慎重にね!デーモンコアを扱うくらいに!」


「そこまで慎重にしなくていいだろ!?」


ドライバー挟めってか!?


俺は包み紙を人生最大級に綺麗に剥がし

蓋をそっと開けた


「……アロマセット?」


すごい洒落てるアロマセットと手紙が

入っていた。


「なになに…」


『アキ君、お誕生日おめでとう。何を送ろうか悩んだんだけど…最近疲れてるみたいだからこんなプレゼントにしてみました。僕も使ってるやつだから変な匂いではないと思うけど…気に入ってくれたら嬉しいな。それじゃ良い一日を』




「ちょっとキュンとしてしまった!」


「分かる!」


俺達兄妹は恋する乙女みたいに顔を見合わせた

なるほど…これが


「これが心(萌え)か……」


皆のお陰で何か心がポカポカしていると

メールが届き



「ん?舞かな?」


俺がメールを開くと…そこには


『誕生日おめでとう。時間作れなくてごめんなさい。今度の仕送りはすこし多めに送るので…冬花と友達とおいしいものでも食べてください。父と母より』



「……冬花」


「ん?どうしたの?」


「今度の日曜日にでも買い物に行こうか?」


「うん!」


俺は『ありがとう。大切に使うよ』

と、返信してスマホを閉じた。

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