ホッチキス

のんびりとした休み時間

今日も今日とて

となりの席の神川さんは話しかけてきた。



「ねぇ…秋兎くん」


「何だよ神川?」


「ホッチキスって素敵よね」


「よく分からん」


「上と下が触れた瞬間に勢いよく出したりして素敵よね?」



「良くもまぁ思いつくよな」


「あら?褒めてくれるの?」


「皮肉だよ」


「ひき肉に……」


「それは前にやった!」


「するわよ?」


「俺をか!?」


「自分を」


「やめてね!?」


「冗談よ。それでホッチキスに戻るのだけど」


「あ、戻るんだ」


「私前までホッチキスってカップルだと思ってたのよ。」



「うん……うん?カップル?」


「上が秋兎くんで下が私」


「俺達に置き換えるな!」


「触れただけで出ちゃうなんて……まるで西部劇ね、次元大○ね」



「早打ちって言いたいのかな!?」


「でも、量が出せて素敵♡」


「やめい!」


「それでね、ずっとカップルだと思ってたんだけど…よく考えたら間に紙とかが入る訳じゃない?」



「まぁ……確かに」


「そう…3○だったのよ!」


「○Pって言うなよ!?」


「秋兎くんの浮気もの!」


「意味分からんわ!」


「……いやまって」


「な、何だよ?」


「さらに考えたらホッチキスで挟むのって1回に複数枚よね?」



「まぁ、1枚に通しても意味無いしな。」


「つまり乱○!?」


「やめて!神川!」


「あ、秋兎くんの絶○!」


「○倫とか言うな!」


「ために溜めてた中身はそうゆうことなのね!」


「やめい!」


「私は悲しいわ!」


「自分で変な妄想して悲しむな!」


「そして、感じるわ!」ゾクッ


「感じるの!?」


「浮気って言ったけど結局私も下で混ざってるし」



「あ、確かに」


「まぁ……実際にそんな場面見たらホッチキスの出番だけどね。」


何か見たことない黒い顔でホッチキスパチンパチンしてる!?



「秋兎くんにはしないわよ。安心して……相手の女の貝を閉じるだけだから」



「怖いわ!」


「だから、そうさせないでね?」


「大丈夫だよ。」


「本当に?」


「信用出来ないか?」


「出来ない。」


「出来ないの!?」


「だから……」


「だから?」


「下の名前で呼んでほしい。」


「………………」


「やっぱり嫌なのね浮気絶○大○!」


「次元が悪いみたいになってる!?」


「いいから……早く」


「嫌だ。」


「っ……」


「スマホのアプリで最初に呼ぶなんて嫌だ。」


「…………」クスッ


「な、何だよ?」


「なら、帰り道にお願いするわね秋兎くん♡」


「あぁ。頑張るよ」


そう言うと2人ともスマホから目を離しお互いに

照れて笑った。




「ちなみにホッチキスの下でもいいのよ?」


「流石に早くないか?」


「そう?……私はいつでもいいからね?」


「大人になったらな。」


「それじゃあ、遅いのよ。」


そう言って彼女は自分の机をコンコンと叩き

俺をそちらに向かせ


「キスは早くしたいもの」


と、口に指をつけて言った。


…………そっちか!



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る