②
放課後、呼び出された場所に行くと、そこにはクラスメイトなどいなかった。
いたのはどこかで、見覚えのある女性グループ。
「キャハハ、本当にきたー」
「こいつマジヤバイよね~」
そいつらはあの女の子をいじめていた女性グループだった。もちろん、俺が殴ってしまった彼女はいない。
彼女たちは俺の姿を見るなり、大騒ぎで喚き散らす。
自分が騙されたと、すぐにわかった。
「誰があんたに謝罪なんかするかっつーの。お前が謝罪しろよ」
「顔殴るとか最低だから。あの子が辞めたのはあんたのせいだろ」
自分でもわかっていた。最低な行動だと。
でも、こいつらにだけは言われたくない。
怒りと悔しさで拳をギュッと握る。
ダメだ、手を出せば、俺はまた同じことをするハメになる。
怒りを抑え、俺は彼女たちに向き合う。彼女たちはまだバカ騒ぎしていた。
「ほら、さっさと謝りなよ」
「あーやまれ! あーやまれ!」
考えたら、すぐにわかることだった。騙されることくらい。
期待なんかしなければよかった。
俺の信じていたものがクソであると知った時、俺にはもう反撃する気力も残っていなかった。
「本当に……申しわけ……」
頭を下げて謝罪しようとするが、途中で遮られる。
「声が小さいんだよ、はっきり言えよ?」
辛辣な言葉にも耐え、俺はもう一度頭を深く下げる。
「本当に、申し訳ございませんでした」
その瞬間、俺は悟った。
これが自分の罰なのだと、信じているものなど、俺には手の届かないのだと。
俺は決意する。
こんな思いをするくらいなら、もう一人で生きていこう。
誰の助けもいらない。たった一人で生き抜いてやろうと。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます