ネッ友

「今日はあの子と会ったが、やっぱり勇気なかったよ。」

蘇泉がスマホでいつものようにAちゃんとチャット。

「クリスマスに告白したらどう?」

とスマホの画面に、Aちゃんの返事がきた。

「そうだね!Aちゃんの言う通りにするよ!」

蘇泉は嬉しげにメッセージを返信。

「ところで、もう月末だから、来月分を振り込むよ。」

蘇泉はメッセージの次に、一日分の給料ぐらいのお金をアプリでAちゃんに送金した。

「いつもありがとうね〜彼女ができたら、うちみたいなレンタルチャット友はいらないね。」

スマホの画面にAちゃんの返事が表示されている。


Aちゃんは、蘇泉がお金を払って、蘇泉の愚痴を聞いたり、恋愛の相談をしたりするレンタルチャット友である。おそらく蘇泉だけでなく、何十人のクライアントが居るだろう。そしてそれで生計が立てているかもしれない。もちろん蘇泉はその点について了解している。


「最近のAIやらGPTやら、すごいらしいね。人間っぽい会話ができるなんて?ひょっとしたらAちゃんは仕事がなくなるかもw?」

蘇泉はAちゃんにメッセージを送信。


「そうかもね!でも蘇泉ちゃんはうちを離れないよね!」

Aちゃんからの返事。


「もちろんだよ!じゃおやすみね。」

蘇泉はメッセージを送信し、スマホの画面を閉じた。


ーーーー

エイ株式会社AI研究所にて。研究員がプロジェクトマネージャーにこう言った。

この会話のデータを見てください。

AIやGPTを知っているユーザーでも、

我が社の『Aちゃん』はなかなかバレないですね。


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