第4話 その人にしかわからない
その人にしかわからないことがある。今、まさにそれなのはパートナーの身に起こる悪阻(つわり)。
正直驚いている。これほどにしんどいのか、何かちがう病気も併発してないか、と心配になる。
だけど本人は言う「これは悪阻の感覚だ」と。
そうなのだろう。一度目よりも重いと思われる今回の悪阻。「この日に終わりますよ!っていう見通しがあればいいのに」とパートナーいうが、本当にその通りだと思う。終わるのだろうと思うけどいつ終わるかわからない、この不安は社会や理解、経験などあらゆる方向から心をさしてくる。
率直にいえば「個人差がある」に尽きる。そして、悪阻を当人じゃない人が当人の苦しみをジャッジしないことが大事じゃないだろうか。
悪阻がはじまって20日ほどが経つ。その間、一度も仕事に行けず、むしろ家から出るのは限界か、一歩手前のときに病院に行くときのみ。病院に行くこともままならない。なにより、こどもの運動会にもいけないほどであった。熱もない、病気じゃない、行きたい気持ちを押し倒してくるほどの、吐き気の波はわたしの想像を大きく超えてくる。
ずっと布団で横になって吐き気に耐え、眉間にしわがよる。ああ、苦しいんだ。そして、これは病気ではない。
赤ちゃんが身体の中で育ち、そのための準備が進んでいることなんだ。できる限りのことはできるように、周りの理解も得ながら、体も心も大切にしたい日々である。
わたしの家事編も。
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