日時計の国だった場所
花街の近辺にはエンタールという大きな街がある。リバストはその町で門番をしている男だ。あの街にいたバスターのギルドは身勝手なことに、めぼしい得物が無くなったという理由でいなくなってしまった。そんな中でも彼が安全な生活圏を守る為門番として勤め上げたのは、育った孤児院の園長から受けた薫陶があったためだ。
園長は門番として仕事をしていた。その理由としては、かつて自分を助けてくれた人達の様に人々を守りたいという気持ち、そして門番ならその恩人がやってきた時にすぐ出会えると考えたからだそうだ。
幼い頃の一年程度しか園長と会っていないが、それでも大人になってから仕事にしているので影響は大きかった様だ。
そしてリバストは今、休暇を取って園長の故郷、アメディスの跡地にやってきた。もう誰もいない土地だが、ルーツを感じるのは大事なことなのだ。
「あの人なんだろうか……」
リバストは園長から聞いた恩人の特徴を思い出す。顔に烙印があり、銀髪の女の子に見える男性。そんな特徴的な人はすぐ見つかると思ったが、大人になって魔の烙印を知ると難しい様に感じた。
園長は恩人を見つけるため、園を巣立つ子供達に彼へ当てた手紙を渡している。ここにくれば何か分かると思ったが、アメディスは更地になっている上周辺国もあそこを悪魔の国としか伝えておらず情報は得られなかった。
「あの人がテーネ先生、なのか?」
自分は直に合っていないのであの人物がそうなのかはわからない。園長の手紙は各地にあるだろうが、自分の持っているのは一つ。どうにかして確信を得たいとリバストは思っていた。
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