魔法使い、出かける

「お客さん、おはよう!」


 僕は目が覚めて、何もやることがないのでいつも着ている服の上に黒のフード付きマントを着て部屋を出た。屋内なのでフードをしていないが。

 少し前から、この街で調査をするためこの宿屋を拠点にし、活動をしていた。今は、腹ごしらえのため一階にあるレストランにきた。


女将おかみさん、おはようございます。朝ご飯、用意できる?」


 僕は女将おかみさんに聞いた。


「あと、30分待っといて。今、火をつけている途中だから。」


 女将おかみさんの後ろにある五つのかまどをみたら二つ火がついており鍋がセットされていたが、残り三つは火がついていなかった。これは、早く起きすぎてしまった。


「…」

「早く起きたんなら、ここらへん散歩してきたらどうだい。東の国にある言葉で早起きは三文の徳という言葉があるらしいよ。もしかしたら、なにか幸運がふってくるかもね。」


 笑顔で答えてくれた女将おかみさん。確かに、ここ最近心休まる時間は食べているときと寝ているときぐらいしかなかった。

 …まぁまぁ心休まっているな。

 まぁ良い。この際どうだっていい。せっかくだし、女将おかみさんの言っているとおり散歩でもしてこよう。今以上に、お腹がすくかもしれないからな。


「それじゃぁ、せっかくだし散歩に行ってくるよ。」

「あいよ!気をつけて行ってきな!」


 元気よく返事を返してくれた女将おかみさん。

 そして僕は、宿屋を出たのだった。


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