第37話・融合化

「やあああああ―――!」




 イグニスろくに動くことができず、焦りが見て取れる。




そこに必殺の一撃をお見舞いする、その寸前で、イグニスは空高くジャンプした。


 だが遅い、なんとか左足を貫いた。




 勝利を確信した、片腕片足を失っているイグニスが私に勝てるはずもない。




「私をあまり見くびらない方がよろしくてよ、ゴホゴホ」




 満身創痍のイグニスの言葉には、だが、裏腹に覇気がある。


 彼女は切り札を切る。私の直感がそう告げていた。




「ねえシルフィード、私は敗北したけど、部下の葵さんが、あなたにあいたがっているわよ。




 いでよ、強制転移――我がナイトよ!


 あらわれたのは、大盾をもつ、幼なじみの姿だった。




「ごめんなさい、葵しくじってしまいましたの、だから貴女の力、私にちょうだい。


 


 解析-融合-対象者シュバリエと同一化します。




 はげしい炎をまき散らしながら、葵とイグニスが融合する。


 


 そんなばかな、これってどういうことよ。

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