第5話 サクサク進んでレベルアーップ?!
次の日からはあまり邪魔も入らなかったんで、道をサクサク進めた。
「大丈夫かい? 疲れていないかい?」
ソニアがちょくちょく聞いてきたけど、
「うん。大丈夫! 少しでも先に進まないとね!」
ワタシの用事に付き合ってもらってるんだもん。早くソニアの用事を済ませるようにしないと!
「おいっ! お前ら金目の物を置いていけ!」
…これはまた、テンプレ確実な強盗が現れた。
「へー。言う事聞かなかったらどうするつもりなんだい?」
フードを
「う、うるせー! 早く出せ!」
ため息をつきながらソニアが素早く剣を振るう。
「へっ!?」
その瞬間、強盗の上着がバラバラになって、腰の布もポトリと落ちてズボンがずり落ちたんだ!
どこまで神業繰り出すんだよソニア!
「ソニアスゴーイ!」
思わず拍手しちゃったよワタシ!
「お、覚えてろよ!」
強盗が逃げていったんだけど、なんだか木の影から見られている感じが。
「エイッ!」
ワタシは持っていた弓を放ってみると、その方角に、もう一人いたみたいで、
「あっぶねー! 逃げろ!」
って、走って逃げていっちゃった。
「ツカサ、やるじゃないか!」
「…まさかホントにいるとは思わなかった」
いやまさか、いるとは思わないでしょフツーは、ねえ…。
強盗が逃げた後、木に刺さった矢を取りながら、前から気になっていた事をソニアに聞いてみた。
「そういえばさあ、強盗を倒すと何か良い事~とかステータスアップ~とかあるの?」
普通のRPGとかだと経験値を稼げてレベルアップ! とかなるけど、ここだとどうなるんだろう?
「まあ、そういうのは冒険者ギルドに入会している連中がクエストこなして体力が上がるとかはよく聞くねえ」
「冒険者ギルドとかってあるの!?」
やっぱりあるんだ! そういうファンタジーのお約束って!
「ただし! そういう所は怪しい連中も多いから普通の人はあんまり近寄んない方が良いよ。ツカサは好奇心で絶対行かない事! 分かったね!」
「はーい」
おとなしく分かったフリをしたけれど、一度でいいから覗いてみたいなあ、冒険者ギルド。
「なんだありゃ!? 弱そうかと思ったら腕がたつなんて聞いてないぞ!?」
先ほどの強盗が少し離れた場所で息を整えた。
「親分~、待ってくださいよ~」
木の影に隠れていた強盗が追いついた。
「うるせえっ! お前は俺の服でもちょろまかしてこいっ!」
「へっ、ヘイッ!」
ドンッ!
走り出そうとした強盗が人にぶつかった。
「痛えー! どこ見て歩いてるんだこの野郎!」
「ほう…お前らが勝手にぶつかってきたのに文句を言うのか?」
「へっ!?」
強盗が相手をよく見ると、全身鎧で武装した長身の男性が数人いた。
全員の鎧にはどこかの紋章が刻まれている。
「お、お前らまさか…」
誰か気付いたのか強盗の一人がブルブル震えだした。
「お前らがこの辺で騒ぎを起こしている二人組の強盗だな。王国騎士団の名においてお前らを捕らえる!」
鎧の一団が即座にロープで強盗達を捕らえる。
「あーもうっ! 今日は散々だ! 変な女には服をボロボロに切られるし、騎士団には取っ捕まるし!」
「変な、女?」
「ああそうだよ! フードを
「…そうか。まあいい、そいつらを王都に連れていけ!」
「「はっ!」」
鎧の一団が強盗と共に歩き出す。
「団長、まさかその女って…」
「ああ、間違いないだろう」
一呼吸置いて団長は答えた。
「元騎士団員、ソニアだ」
騎士団とソニアの関係とは?
このまま王都へ行っていいのか!?
次回へ続く!
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