フォレストモンスター

それはあまりにも大きくて

私は青空を見上げるときのように

静かに、大げさに、貴方を見上げた


大きな瞳は透明な地球儀のように

大きな口には角笛のような歯が連なっていた


私はその大きな貴方を見上げながら

怖いというよりも圧倒されながら

小さな両手で双眼鏡を作ると

貴方も同じようにして笑った


あの日、彼が日本政府に攻撃された理由を

私は知らない

沢山のミサイルと爆撃の理由を

私は知らない

報道された彼の危険性も有害性も

私は知らない


現に彼と頻繁にあっていた私は

今でも立派に生きているのに


さようなら、森の怪獣


私の怪獣

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