誤解

誤解だった。それでもその誤解をどうやって解けばいいのかわからなくて

俺は途方に暮れていた。すぐ近くの席。

ピリピリした彼女の雰囲気に時たま耐えられなくなりそうだった。

「なによ、じろじろ見ないでくれる?」

「あ、ごめん」

居心地の悪い日々。

そんなある日のことだった。

俺は先生に彼女への届け物を頼まれた。

橘が家の用事だとかで学校を休んだのだ。

「悪いが、このプリントを橘の家に届けてくれないか?

山吹の家のすぐ近くに橘の家があるから」

「ええー」

断りたかった。俺の家のすぐそばに橘の家があるなんて

今まで知らなかった。

先生のはなしだと、橘は最近引っ越したらしかった。

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