最悪
「最悪なんですけど」
俺は「よろしく」と言いかけて、その冷たいセリフに息をのんだ。
おそらくは俺の隣が気に入らなかったと見えて、彼女は終始不機嫌だった。
「くじ運悪っ!」
そんなことまで言われて俺は一気に次の席替えまでの日取りが待ちきれなくなった。
翌日もその翌日も。
彼女とはろくに会話ができなかった。
小テストを隣の人と交換して答え合わせをしなくてはいけないのだが
気まずい空気が流れていた。
「おまえさ、せっかく橘ヒナタの隣の席なのに、
ちっともうちとけらんねえのなw」
友達のシンヤに嘆かれる日々。
「にしてもさ、なんでおまえにだけ冷たいんだろうな?」
「わかんない」
「特にお前が性格悪いとか、陰キャとかじゃないのにな。
見た目もふつー、性格もフツーなのに」
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