【シーン8:物差】

~トリガーイベント~

シーン8:物差 シーンPC:PC② 宵野間 灯

※情報調査項目が全て解放されたので、シーンが切り替わる。

────────────────────

登場侵蝕率上昇判定


宵野間 灯:1d10

<BCDice:宵野間 灯>:DoubleCross : (1D10) → 10


宵野間侵蝕率:100

────────────────────

※10!ここで侵蝕率が100オーバーする宵野間。大丈夫か……?という雰囲気が卓内に流れる。基本的に今回の卓においてPLの侵蝕率の出目は高い。

────────────────────


GM:珍しく、調査本部の室内には宵野間だけという状況です。


GM:美堺をはじめとする、他のメンバーは出払っています。




田岡 夕比:「あれ、みんないないじゃ~ん」


GM:そんな中、扉を開けて入ってきたのは田岡 夕比。手には資料束とタピオカドリンクのカップ。


田岡 夕比:「あ。よっちゃんはいる。キャッサバ~(挨拶)」


────────────────────

※キャッサバ……田岡の挨拶である。そういうものであると思ってほしい。

────────────────────


宵野間 灯:「え」


宵野間 灯:「急にどうしたんですか?」

 困惑しつつ顔をしかめる。


田岡 夕比:「なんだよ~ノリ悪いねぇ」


田岡 夕比:そう言ってドリンクを手渡してくる


宵野間 灯:よくわからない言葉で話しかけてきたので、距離をとっている。


宵野間 灯:「……」


宵野間 灯:警戒しつつ受け取る。


田岡 夕比:「~♪」


田岡 夕比:「そういえばさぁ」


田岡 夕比:「意外にみさぴっぴと上手くやってるよねぇ。チミ。いいじゃ~ん」


宵野間 灯:「あっちが勝手に距離を詰めてくるだけです」


宵野間 灯:「私はもっと、ただのオーナーとグレーゾーンの関係でいいと思っています」


宵野間 灯:今までに比べて、感情が少し乗った声で宵野間は話している。


田岡 夕比:「オーナーとグレーゾーンの関係ねぇ~~」


田岡 夕比:「それに関しては……正直、印南がも~ちょっと騒ぐと思ってたんだけど、拍子抜けだったなぁ」


宵野間 灯:「オーナ……印南さんが?どういうことですか?」


田岡 夕比:「あいつさ、なっちゃん……あーー……吾妻夏稲が死んでから、ちょっと変だったんだよね」


田岡 夕比:「自分の担当グレーゾーンを試すような振る舞いをし続けてたっていうか」


田岡 夕比:「まるで……もういない吾妻夏稲の強さを証明するかのように、グレーゾーンを酷使してたんだよね」


田岡 夕比:「まー、少なからず印南を知ってるボキだから分かる程度の振る舞いだったけど」


田岡 夕比:「だから、自分のグレーゾーンをこんな簡単に手放すとは思わなかったんだよね」


宵野間 灯:「……ですが、あの人からはそういった感情はありませんでした」


宵野間 灯:「勘違いされやすいだけで、良い人だと思います」


田岡 夕比:「……そうなんだよねぇー」


田岡 夕比:「ひと月くらい前からかなぁ~~そういう印南のピリピリした感じ、なくなってたんだよねぇ」


田岡 夕比:「いいタイミングに当たったよね。ヨイヨイはさぁ」


田岡 夕比:「チミの言う通りさ。印南は良いヤツではあるんだよ」


GM:少しだけ目線を中空に漂わせ、物思いに耽る田岡。


田岡 夕比:「……。アイツはもう自分だけじゃ分からなく……選べなくなってるんだろうね。選ぶための物差を失ってしまったから」


宵野間 灯:「自分で選べない……」


宵野間 灯:「それなら理解できます」


宵野間 灯:「私もわからないんです。こんな風になってから、自分で選んだことなんてありませんでしたから」


宵野間 灯:「私は猟犬グレーゾーンで、使役される存在だから」


宵野間 灯:それに、そっちの方が──。


田岡 夕比:「……」


田岡 夕比:少しだけ、寂しげに笑って見せる


田岡 夕比:「分からないでもないよ~」

 隣の席に座って


田岡 夕比:「ボキもさ~、全部人任せにして、なーんも考えず、なーんも選ばなかった頃があるんだよね」


田岡 夕比:「はは、その結果。ボキの場合はそれなりに手痛いしっぺ返しを喰らっちゃったけど」


────────────────────

※田岡の前日譚部分。UGN加入前の話である。Pプロデューサーという人物に依存し、あらゆる行動を責任転嫁していた彼女は、なんやかんやで傷つき、Pを喪った。

 このあたりのバックボーンは触れずに進行出来ると思っていたのだが、宵野間からのパスが絶妙だったのでGMも遊んでしまった。許せ。

────────────────────


田岡 夕比:「楽、なんだよね。そっちの方がさ」


田岡 夕比:「自分で考えて、選んで、歩いていく方が何倍も難しくて、しんどいもん」


宵野間 灯:「自分で背負わなきゃいけないですから、やっぱり」


宵野間 灯:「怖いですよね」


田岡 夕比:「……そうだね」

 静かに頷いてみせる


田岡 夕比:そして間を置いた後、切り替えるように手を叩く



田岡 夕比:「さて、本題!」


田岡 夕比:「吾妻 秋穂の詳しい検死結果の資料持ってきたんだよ~」


田岡 夕比:「ジャーム(ブロークンスマイル)に殺されたってことで、何か悪い影響が出てないか調べられたっぽい」


田岡 夕比:「んで、ちょっと奇妙なことが判明したってさ」


田岡 夕比:「吾妻 秋穂の死体、体内のレネゲイドウィルスによる侵蝕が凄かったんだってさ。それこそ……ジャームになってしまう程に」


田岡 夕比:「検死班はブロークンスマイルの攻撃によるもの~って言ってたけど」


田岡 夕比:「ボキが思うに今回の件で急速に侵蝕値が伸びたのとは違う可能性もあるんじゃないかなーって……思ったり、思わなかったり」


田岡 夕比:「ま、分かんないしどうでもいいことではあるんだけどねぇ~」


宵野間 灯:「何か思い当たる節でも?」


田岡 夕比:「ん~~……吾妻 秋穂は元々オーヴァードじゃなかったワケで~。なら、一般人が一発の外部刺激でそこまで侵蝕率上がるか~っていう。例えブロークンスマイルが特別とか、そういうのだったりしてもさ」


田岡 夕比:「まぁ、フワっとした勘だよ勘。この件、ミッキーに報告して欲しいけど、ボキの予想の方は伝えなくていいから」


宵野間 灯:「わかりました。伝えておきます」


宵野間 灯:「話は以上ですか?」


田岡 夕比:「ん。以上。よろしく頼むよ~」


田岡 夕比:席を立ち、次の仕事に向かおうとしつつ




田岡 夕比:「ま~、怖いししんどいけど、さ」


田岡 夕比:「それでも、チミはまだ若くて元気なんだから、ちょっとは頑張んなよ~」


田岡 夕比:「ボキと違ってさ」


宵野間 灯:「……」


宵野間 灯:「待ってください」


田岡 夕比:「?」


GM:足を止める田岡。意外そうな顔をしてみせる。宵野間のことを、人を呼び止めて何かを欲するような人物だとは思っていなかったからだ。



宵野間 灯:「もし、何かを選択して。その結果ロイスがタイタスになった失望されたとしたら、どうすればいいですか?」



田岡 夕比:「……」


田岡 夕比:「ボキの答えはアテになんねぇだろうけど、それでも聞きたい~?」


宵野間 灯:「……」(コクリ)


田岡 夕比:「何かを選択して。その結果ロイスがタイタスになった大切な人を失ったとしたら」



田岡 夕比:「……それでも、ボキは抱え信じ続けるよ。未練ったらしくね」


田岡 夕比:「マジでアテになんねぇぞ~~~オーヴァードとしての命縮めるから、やめときな」


宵野間 灯:「……そうですか」


宵野間 灯:「ですが、参考にはさせていただきます」


田岡 夕比:「ふへへ、参考になるなら良かったよ」


田岡 夕比:「なんにせよ……後悔しないで済むと良いね。どんな選択をしても、さ」


田岡 夕比:「じゃ。キャッサバ~(別れの挨拶)」


宵野間 灯:「キャッサバ」


田岡 夕比:ニッコリ笑って部屋を出ていく



~シーン終了~

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る