【シーン7:調査】③

美堺 菜麻:資料調査:『ブロークンスマイル』吾妻夏稲について 〈情報:UGN〉難易度:10/13

美堺 菜麻:共同調査NPC:印南 標


GM:印南は1度共同調査を行っているので、達成値の補正が+4になっています。


「【NPCサポート】印南 標:判定後に達成値+4」が適用可能。


22:03:美堺 菜麻:3dx10+2+4 印南ボーナスあり

22:03:<BCDice:美堺 菜麻>:DoubleCross : (3DX10+6) → 9[1,3,9]+6 → 15


難易度10と上位の13の両方を達成、調査成功。


────────────────────

《獲得した情報》

 ビッグ・キング・ダディが死に際に言い残した『ブロークンスマイル』に関しては、UGN内に情報が残っている。それは吾妻 秋穂の姉について示すコードネームだ。


 吾妻 夏稲(アガツマナツネ)は元UGNチルドレンにして、グレーゾーンジャームである。

 とある少女の形態をとったレネゲイドビーイングとの接触、戦闘以降に侵蝕値が基準値以下に戻らなくなった。

 グレーゾーンになった後のコードネームは『ブロークンスマイル』。優れた戦闘能力を持ち合わせていたが、バディを組んだオーヴァードの侵蝕値を増加させてしまう程の不安定な精神状態の持ち主となっていた。

 ある作戦中、死亡。死体腹部には大きく貫通した刺し傷。戦闘したジャームによって怪我を負わされ、回復が間に合わなかったものと思われる。

────────────────────


宵野間 灯:「(印南さんの前のバディ)」


印南 標:「吾妻さんは本当に強いグレーゾーンでした」


GM:調査資料を提供しながら、印南が思い出話を語ってくれるだろう。


印南 標:「正直、彼女以上のオーヴァードを見たことが無いほどです」


美堺 菜麻:「……噂ではそんな強いオーヴァードを印南ちゃんが殺したってことになってますけど、その辺りはどうなのです?」



GM:その言葉に対し、印南は人が変わったように、一瞬ギロリと目を剥くでしょう



GM:そしてすぐに、悲しそうに一笑します。




22:15:宵野間 灯:(この人もこんな顔するんだ……)



印南 標:「彼女が死んだのは、田岡 夕比に困難な仕事を頼まれたからです」


印南 標:「グレーゾーンになる前は、彼女の部下だったんですよ。印南さんは」



印南 標:「それで、あまりに厳しい現場に送られたんです」


美堺 菜麻:鋭い視線を軽く流して。


美堺 菜麻:「あー、あのこけしならやりそう」


美堺 菜麻:「それで、その時彼女は確実に死にさらした、のですよね」



印南 標:「アイツは……」


印南 標:「田岡夕比はきっと嫉妬したんだ。それほどに吾妻さんは素晴らしい女性だった」


印南 標:「田岡、夕比が、吾妻夏稲を殺したんだ」



GM:美堺の質問に対し、妙にズレたことを口走った後、印南は我に返ったように平静な顔に戻る。



印南 標:「間違いなく彼女は死にました。看取ったの……僕ですし」



美堺 菜麻:「あのこけしが嫉妬するかな?」


美堺 菜麻:印南の呟きに首を傾げて、まぁいいかひと呼吸おく。


美堺 菜麻:「死んだ。看取っているならそれは確か。ではどうして今回の一件に彼女の名前が出てくるのか?」


美堺 菜麻:「別人がそう名乗っている? 本当は生きている?」


美堺 菜麻:「……複製体デュプリケイト?」



美堺 菜麻:「印南ちゃんはどう思いますか?」


印南 標:「……僕は」


印南 標:「僕が間違っていたんだと思います」


印南 標:「やっぱり、あの人があのくらいで死ぬはずなかったんですよ!」


美堺 菜麻:「印南ちゃん?」



印南 標:「生きていたんです。リザレクト……いや、くだらない人との絆を清算したのかな……なんにせよ、生き返ったんだ!」


印南 標:「やっぱり、夏稲さんは凄い人だ!」


GM:興奮した様子で印南がそう捲くし立てる。美堺や宵野間と話していることすら忘れたかのように。



美堺 菜麻:「印南ちゃーん?」


宵野間 灯:「コールドネス……?」



印南 標:「は!」



印南 標:「……(汗拭き)」



美堺 菜麻:「(よかった。もう少し続くならぶん殴ってた)」


印南 標:「すいません、僕……少し外の空気吸ってきます。頭、冷やさないと……」


GM:困ったように、その場から駆けていく印南。



美堺 菜麻:「…………ねぇ、アノ」


宵野間 灯:「はい?」


美堺 菜麻:「前のパートナーの話してる時の私もあんな感じだった?」


宵野間 灯:「え、えー……」


宵野間 灯:「いえ、別に……むしろあんなに取り乱してたら、皆言ってると思いますけど……」


美堺 菜麻:「そうですか。でしたらまぁ、安心です」


美堺 菜麻:「……相当そのブロークンハートに入れ込んでいたのですね、印南ちゃん」


宵野間 灯:「ブロークンスマイルですけど」


美堺 菜麻:「…………(顔を覆う)」



宵野間 灯:「まあそうですね。あんな彼女、始めて見ました」


宵野間 灯:「ただ……色は似てました。あの人が話しているときと、あなたが話しているときの色、大切な存在だったことはわかります」


美堺 菜麻:「色……なるほど色か……アノらしい表現ですねそれ」


宵野間 灯:「(表現というか、私のシンドロームの影響による感覚強化なだけなんだけど……)」


宵野間 灯:「(言うの面倒くさいから)……そうですね」


美堺 菜麻:「ッッッヒヒッ(知っててわざと言った)」



宵野間 灯:「笑い方ちょっと気持ち悪いです……」


美堺 菜麻:「キモくないですよ」



GM:さて、続いて上位難易度成功による追加情報。印南が去った後、対魔忍あたりが追加の資料を持ってきてそれらを美堺達は精査した。


────────────────────

《獲得した情報》

 とある報告が存在する。これは“とるにたらない情報”として処理されていた。

 かつて吾妻夏稲が倒した少女型のレネゲイドビーイングは、周囲のレネゲイドウィルスを活性化させる特性を持ち、UGNの研究所で研究していたものが逃げ出した存在である。

 吾妻夏稲がグレーゾーンになったのは、そして彼女に関わった人間の侵蝕率が上昇傾向にあるのはそのレネゲイドビーイングの影響を彼女が受けたこと、そしてその性質が彼女にどうしてか移ったからでは?と。


 今では真相は闇の中だ。

 ただし、分かることがある。彼女……吾妻夏稲の死体は運び出され、UGNの研究施設へと搬送された。

────────────────────


美堺 菜麻:「……どいつもコイツもどうして大事な情報を言いやがらないのでしょうね畜生共」


美堺 菜麻:「死んだのは見た。けれど死体の行方は知らない」


美堺 菜麻:「印南ちゃんの言っていた「生きてた」っての、案外合ってるかも知れませんね」


美堺 菜麻:「うわーどうしましょう。何だか全部が怪しくなってきました」


宵野間 灯:「疑り深いんですね」


美堺 菜麻:「疑うのが仕事ですからね、リーダーなんて」


美堺 菜麻:「それで人命や危険を回避できるなら安いモノです」


宵野間 灯:「けど、私は……」


宵野間 灯:「(信じられる方が嬉しいですけど)」


宵野間 灯:「なんでもないです」




美堺 菜麻:「……アノ」


美堺 菜麻:「面倒だとは思いますけど、思ったことは口にした方がいいですよ」


美堺 菜麻:「それが後々何かの助けになることもありますから」


美堺 菜麻:「さっきからアナタ、言おうかどうか迷っている素振り何度か見せていますけど」



美堺 菜麻:「パートナーの私の前では、口にしてもいいのですよ」


美堺 菜麻:「あっ、今のは命令ではないので」


宵野間 灯:「……はい」


宵野間 灯:「私はただ、少しは信じてあげてもいいと思っただけです」



美堺 菜麻:「……ふーん、なるほど」


美堺 菜麻:「アノがそう言うのなら、そうだね。ちょっと気を付けるよ」


宵野間 灯:「まあ、私のことは信用しなくてもいいですけど」


美堺 菜麻:「そうか。じゃあ信頼しておきますね」


宵野間 灯:「なんでそういう考えになるのかわからないんですけど!」


美堺 菜麻:「ッッッヒヒッ」


GM:……では次の行動です。


────────────────────

宵野間 灯:情報収集:吾妻秋穂の調査内容 〈知識:レネゲイド〉難易度:8/14

宵野間 灯:共同調査NPC:対魔忍

「【NPCサポート】対魔忍:判定前に判定に求められる技能を同じ能力の別技能に変更できる」を適用。


 対魔忍の効果で〈知識:レネゲイド〉を、〈RC〉に変更。


宵野間 灯:8dx10+12

23:18:<BCDice:宵野間 灯>:DoubleCross : (8DX10+12) → 8[1,2,5,7,8,8,8,8]+12 → 20


難易度8と上位の14の両方を達成、調査成功。


────────────────────

《獲得した情報》

 吾妻 秋穂は死亡の直前、UGNのレネゲイドウィルスの研究施設に赴いていた。

 ジャームの襲撃により、その研究施設も破壊され、研究資料や設備諸共壊滅してしまっている。

 また、彼女の死体が所持していたアタッシュケース内に、施設での研究資料のコピーが入っていたようだが、アタッシュケースは紛失している。


 周辺を襲ったジャームは両目が赤く燃え上がる女のジャーム。そして大量の四足歩行のジャームだ。

 女のジャームの姿は映像記録が残っている。

 映像記録からして、それは先に調査を行ったブロークンスマイルの外見に酷似している。

⇓オルタナティブ、あるいはブロークンスマイル?の外見⇓

https://kakuyomu.jp/users/romanesco/news/16817139554891949464

────────────────────


GM:さらに、上位の難易度を達成したので、イベントが発生します。対魔忍が協力してくれるでしょう。




対魔忍:「アタッシュケースが紛失……恐らく、UGNの研究部が接収してきたのでしょう、回収しにいくなら、お手伝いできると思います」


宵野間 灯:「だそうです」


美堺 菜麻:「回収しに行きましょう。彼女が遺したモノ、ちゃんと確認しておかないと」


宵野間 灯:「わかりました」


対魔忍:「分かりました。では強引な手段にはなりますが、我がニンポで回収ルートを切り開きましょう。いきますよ!」


美堺 菜麻:「ニンッ、えっ?」


GM:〈回避〉の判定を目標値10で挑戦してください


GM:どちらかのPCが成功するので大丈夫です。


────────────────────

美堺 菜麻:8dx10+1 回避

<BCDice:美堺 菜麻>:DoubleCross : (8DX10+1) → 10[2,3,3,4,5,6,7,10]+1[1]+1 → 12

────────────────────


GM:成功!


GM:では対魔忍のニンポによって生み出された木の葉の回廊を駆け抜け、キミ達はUGNの研究施設であるアールラボへと潜入。


対魔忍:「イヤァーーーーーーッ!!」


美堺 菜麻:「(こんな人だったのか)」


GM:厳重にしまわれていたアタッシュケースを回収することに成功しました。


対魔忍:「ナムサン!」




対魔忍:「流石ですね、リーダー。素晴らしい動きでした」


対魔忍:「この事件が終わったら、良ければ我々対魔忍のグループに入りませんか?貴方ならよい対魔忍になれるでしょう」


美堺 菜麻:「えっ、あっ、ッッッヒヒッ、どうも。私は遠慮してアノにその権利譲ります」


対魔忍:『グレーゾーンの対魔忍というのは前例がありませんが……宵野間サンが望むのでしたら」


宵野間 灯:「え、いらないですよ。そんな謎のグループ……」


対魔忍:「ア、ハイ」



対魔忍:「はっはっは、お気になさらず。対魔忍ジョークです」


対魔忍:「では、アタッシュケースを確認しましょうか」


美堺 菜麻:「(切り替えが早い)」


────────────────────

《獲得した情報》

 研究施設では、レネゲイドウィルスの抑制剤の研究がおこなわれていた。

 そして、急激に上がった侵蝕率に対し、特効性能を持つ試薬が既に出来上がってもいた。

 また、これの副産物として、レネゲイドウィルスの活性剤も開発されている。


 アタッシュケースの中には、薬液の入ったアンプルが一つ、入っていた。

 これが資料によって判明した抑制剤なのか、活性剤なのかは不明である。


 どちらにせよ、それらの薬品が生み出されたのにはブロークンスマイル、吾妻夏稲の解剖が最大の原因になっているようだ。

 彼女の血肉、臓腑、そして体内のレネゲイドウィルスのなれ果てがこの薬品なのである。


 つまり、間違いなくブロークンスマイルは死亡しており、彼女の肉体は現存していない。

────────────────────



美堺 菜麻:「…………うわぁ、ミンチになってる」


宵野間 灯:「(まあグレーゾーンなんて、結局はこうなる末路ですよね)」


GM:また、映像から女のジャーム(映像からして、ブロークンスマイルだと思われる)が研究所から同じような薬品のサンプルを盗み出したのが判明する。


美堺 菜麻:「ますます頭がこんがらがってきましたね」


対魔忍:「これは……変化の術……?いや、まさかオバケ!?」


宵野間 灯:「複製体など、コピーの類、とかでしょうか。彼女が撃退したレネゲイドビーイングというのも気になりますし……」


美堺 菜麻:「やっぱりこの薬使って分裂とかしてるのですかね?」


宵野間 灯:「どうなのでしょうか」


美堺 菜麻:「薬品になった彼女とそれを奪っていった彼女。それから、吾妻ちゃん」


宵野間 灯:「ますます分からなくなってきましたね……」


美堺 菜麻:「このアンプルもどっちなんでしょうね?」



美堺 菜麻:「ちょっと打ってみましょうか?」


宵野間 灯:「打つなら私の方が良いですかね」


美堺 菜麻:「えー、私も打ってみたいです」


宵野間 灯:「え、そんな危ないもの打ちたいんですか?」


美堺 菜麻:「誰かが試さないといけないのなら私が打つよって話ですよ。仮にこれが活性剤でアノが暴走したら手に負えないけど、私なら暴走しても二人でどうにかできるでしょ?」


宵野間 灯:「そういうことですか……」



宵野間 灯:「まあでも今はやめてください。あまりこういうところで消耗したくないですし」


美堺 菜麻:「そう? じゃあアノがそう言うならやめておきます」


美堺 菜麻:アンプルをケースにしまい、資料を整理する。



────────────────────

※ここで6日目が終了となった。わりと複雑な人間関係と過去。混乱するような情報を獲得しながら、PC達は物語を進めていく……。

────────────────────

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る