【シーン7:調査】②
GM:ではここから本格的な調査を行っていきます。
GM:以降の調査において、PCは好きな順で調査項目を選択できます。
ただし、調査項目には『誰と調査を行うか』が複数設定されている場合があり、調査判定時に選択します。
共同で調査を行った相手のNPCによって、得られる情報や結果が変動する場合があるので、注意すること。
GM:このシーン内では1PC、各計3回まで調査の判定、購入判定が行えます。
また、シーンを追加・登場することで、その度に2回調査判定。購入判定が行えます。
GM:また選ばれた共同調査NPCに応じた各NPCサポート効果を判定に使えます。
1度NPCサポートを使うと、対魔忍以外はサポートの効果が成長します。(効果量、回数が1上昇(C値は低下する))。
NPCサポートの初期データは以下。
【NPCサポート】印南 標:判定後に達成値+3
【NPCサポート】二郷 友典:判定前にC値-2
【NPCサポート】田岡 夕比:判定後に振り直しが1回可能
【NPCサポート】対魔忍:判定前に判定に求められる技能を同じ能力の別技能に変更できる(例:求められているのが〈交渉〉の場合、同じ社会の〈情報:UGN〉に変更できる)
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GM:調査項目は以下となります。/の左側の数値が通常の難易度。右側がより多くの情報が手に入る難易度です。
○資料調査:『ブロークンスマイル』吾妻夏稲について 〈情報:UGN〉〈知識:レネゲイド〉難易度:10/13
共同調査NPC:田岡 夕比/印南 標
○情報収集:吾妻 秋穂の調査内容 〈情報:噂話〉〈知識:レネゲイド、医療〉難易度:8/14
共同調査NPC:田岡 夕比/対魔忍
○実地調査:ジャームによる被害 〈知覚〉〈RC〉難易度:10
共同調査NPC:印南 標/二郷 友典
○聞き取り調査:吾妻 秋穂の来歴 〈交渉〉〈情報:UGN、ウェブ〉難易度:14
共同調査NPC:二郷 友典/対魔忍
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美堺 菜麻:聞き取り調査:吾妻 秋穂の来歴〈情報:UGN〉難易度:14
美堺 菜麻:共同捜査NPC:二郷
「【NPCサポート】二郷 友典:判定前にC値-2」が適用。
美堺 菜麻:3dx8+2 情報:UGN
<BCDice:美堺 菜麻>:DoubleCross : (3DX8+2) → 10[1,9,9]+3[1,3]+2 → 15
難易度14を達成。調査成功。
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※今回のシナリオでは、幾つかのシーンはNPCとの会話ロールの中で情報が開示されていく。この聞き取り調査もそうだ。そして、この聞き取り相手というのは……対策チームのメンバーの1人であった。
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田岡 夕比:「……何ぃ?」
GM:吾妻 秋穂の来歴を知っている人物……それは田岡 夕比であった。
二郷 友典:「電話で色々言ってたろうがおめぇ。何を知ってやがる」
二郷 友典:「アイツは仲間だった。正直、俺も気になってんだよ」
田岡 夕比:「……(プイ)」
顔を背ける
美堺 菜麻:「…………」
背けた方まで移動して顔をジッと見る。
田岡 夕比:「…………(一瞥)」
田岡 夕比:「あのさぁ、ミッチー(美堺のこと)」
田岡 夕比:「今更知ったって、あの子がどうにかなるってわけじゃないと思うけど?」
美堺 菜麻:「それはそうでしょう」
美堺 菜麻:「話を聞いて死んだ人が蘇ったりあったことが無かったことになるなら苦労はしませんよ」
美堺 菜麻:「私は吾妻ちゃんのためじゃなく自分のために聞きたのですよ」
美堺 菜麻:「一般人の彼女が、何故、この対策チームに来ることになったのか」
美堺 菜麻:「何故私が彼女を昔から知っている友達と誤認していたのか」
美堺 菜麻:「それは多分今回の一件と無関係じゃないと思うのですよ」
美堺 菜麻:「まぁ、言いたくないのならいいですよ。田岡ちゃんのあることないことネットに上げて炎上させてやりますから」
美堺 菜麻:「私、ミッチーなので。本能寺焼くみたいにそれはそれは豪快に焼いてやりますよ」
GM:美堺の迫り方に、心底うんざりしたように田岡は溜息をついた。
田岡 夕比:「は~~~~~めんどぉ~~~」
田岡 夕比:「別に、ネットの悪口とか炎上なんて散々慣れてるんだけどさァ」
田岡 夕比:「ハァ……」
田岡 夕比:「あの子……吾妻 秋穂はある日突然私の前に現れたんだよね」
田岡 夕比:「どうやってかは知んないけど、独力でUGNの私に辿り着いたっぽい」
田岡 夕比:「幼いころにオーヴァードに覚醒してチルドレンとして引き取られた姉とは離れて暮らしていたらしんだけど」
田岡 夕比:「その姉の死因を突き止めたかったんだって」
田岡 夕比:「んでボキがキリタニン(霧谷雄吾である)あたりに掛け合って、支援専門のオーヴァードだと偽装してUGN内に潜入させたんだよねぇ」
田岡 夕比:「おわり」
美堺 菜麻:無言で田岡の頭をぐしゃぐしゃってする。
田岡 夕比:「ギャッ」
田岡 夕比:「へぇあ?何スンのチミィ」
美堺 菜麻:「先に言えよって気持ちとやっと口割ったかって気持ちがごちゃごちゃってなっていい言葉が浮かばなかったので」
田岡 夕比:「言えるかよ……UGN内に一般人入れてんだぞ……最悪ボキの首が飛ぶってーの……」
美堺 菜麻:「そこまでわかっててどうして招き入れたのですか? クッソ無責任女のクセに」
田岡 夕比:「ん~~~?」
田岡 夕比:「理由は二つあるよ~」
田岡 夕比:「……」
田岡 夕比:「……」
GM:流れる沈黙。
二郷 友典:「ある、で完結させねぇでその二つの内容を喋れこの」
美堺 菜麻:「(二郷ちゃんが言わなかったらぶん殴ってた)」
田岡 夕比:「……まず、普通に脅されたんだよねぇ。あの子、UGNのヤバさは十分理解して接触してきたみたいでさぁ」
田岡 夕比:「『私を消したり、記憶を操作したりしたら、これまで調べたこと全部バラす手筈になってる』的なこと言われてさぁ~~」
田岡 夕比:「実際裏どりしたら、周到にその辺の仕掛け用意しててさぁ」
田岡 夕比:「そういうわけ」
美堺 菜麻:無言で自分の髪をぐしゃぐしゃする。
田岡 夕比:「ハゲるよ~?」
美堺 菜麻:「どいつもこいつも……」
美堺 菜麻:「いや、はい。わかりました。それで二つ目の理由は?」
美堺 菜麻:「あとハゲないです」
田岡 夕比:「……あれぇ、2つあるなんて言ったっけ~」
GM:睨まれる田岡。
田岡 夕比:「…………ウソウソ、じょーだんだよぉ」
美堺 菜麻:「ッッッヒヒッ(目は笑ってない)」
田岡 夕比:「彼女の姉ってさ。ボキの知り合いでもあるんだけど」
田岡 夕比:「彼女の死因についてはちょっと気になることがあってね」
田岡 夕比:「あの子が上手く真相に辿り着いてくれるなら、それもいいかなぁ~って、ね」
美堺 菜麻:「無責任」
美堺 菜麻:「ですが確かに、そういう経緯なら私も同じような行動をしたと思います」
田岡 夕比:「お人よし~」
美堺 菜麻:「田岡ちゃんも自覚有る無しは置いといて大概お人好しですよ。顔に似合わず」
田岡 夕比:「えっ?そうだよぉ。ボキほど面倒見のいいヤツは他にいないよ~」
二郷 友典:「…………」
二郷 友典:「お前、じゃあなにか?そこまで分かっててアイツを……秋穂を行動させてたってのかよ!オーヴァード絡みの事件だぞ。支援係とはいえ、危険が及ぶとは思わなかったのかよ!」
田岡 夕比:「ウワぁ」
二郷 友典:「少なくとも……リーダーがどっちに行くか決める時に……ッ、それを言えば別の結果になってたんじゃねぇのかよ!!」
田岡 夕比:「……(冷めた目)」
美堺 菜麻:二郷の頭をぐしゃぐしゃする。
二郷 友典:「ぐぁっ!」
二郷 友典:「何すんだ!」
美堺 菜麻:「気を使ってくれてありがとう二郷ちゃん。それは素直に嬉しいです」
美堺 菜麻:「でも、もし。あの時田岡ちゃんが言ってたら」
美堺 菜麻:「二郷ちゃんがここで怒鳴ることもなかったでしょう」
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※田岡の情報によって吾妻秋穂を助けに行っていたら、二郷はビッグ・キング・ダディ達多くのジャームに殺されていたに違いない。
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二郷 友典:「だからだよ!」
頭に乗っていた手を振りほどいて怒鳴る
二郷 友典:「俺がUGNとして!エージェントとして!」
二郷 友典:「今日まで戦ってきたのは……ッ、力のねぇ一般人を
二郷 友典:「それを……俺の代わりに………ッ、オーヴァードじゃない秋穂が死んだなんて………ッ、我慢なんねぇ!」
美堺 菜麻:「彼女は対策チームの仲間です」
美堺 菜麻:「理由はどうあれ、一般人であれ、危険と承知で私達と行動を共にした仲間です」
美堺 菜麻:「確かにオーヴァードではなかったですけど」
美堺 菜麻:「遺志の強さなら、きっと私達と同じですよ」
美堺 菜麻:「だから力が無いなんて言わないであげて」
美堺 菜麻:「彼女を『巻き込まれたただの被害者』にしないであげて」
美堺 菜麻:「……気持ちは、わかるんだけど」
二郷 友典:「……ッ」
二郷 友典:「リーダーぁ……」
田岡 夕比:「うわぁ……泣いてる……」
二郷 友典:「泣いてねぇ!!」
二郷 友典:「泣いてねぇ……泣いてねぇけど……」
二郷 友典:「そう、だな……って思いはしちまったんだよ…!ただ、それだけだ!」
美堺 菜麻:「わかってくれたなら私は嬉しいです」
美堺 菜麻:「それに、あそこで田岡ちゃんが真相を話して、それを判断材料に吾妻ちゃんを助けに行ってたら……」
美堺 菜麻:「私は対策チームのリーダーとして失格だとは思いますので」
美堺 菜麻:「やっぱり必要ですから。平等に取捨選択する目は」
田岡 夕比:「フゥン…」
二郷 友典:「……そうかよ」
GM:こめかみのあたりを押さえながら、しばらく二郷は黙した。自身の中に渦巻く多くの考えを纏めて、飲み下すように。
二郷 友典:「ああ、そうだ……この流れで言うのも、ちょっとアレかも知んねぇけど」
二郷 友典:「ならキチンと、あらためて礼を言わせてくれ」
二郷 友典:「リーダー、あと……宵野間」
部屋の隅にいる宵野に目線を向ける
二郷 友典:「助けにきてくれて、ありがとうな。命拾いした」
美堺 菜麻:「(また泣くのかな?)」
宵野間 灯:「……別に。判断したのはオーナーでしたので」
二郷 友典:「素直に受け取っておけよなそこはよぉ…ッ」
美堺 菜麻:「多分あれが彼女なりの素直なのですよ」
田岡 夕比:「www」
宵野間 灯:「だって、そういうことを変に引きずられても困りますし……」(ぼそり)
美堺 菜麻:「ッッッヒヒッ」
田岡 夕比:「あっ、それちょっとわかる~~w」
二郷 友典:「おまえらなぁ…!」
二郷 友典:「ッ、まぁいい!それで!?なら秋穂とリーダーが友達だった、ってヤツはどうなんだよ?オーヴァードじゃねぇなら、なおさらよく分かんねぇ!」
田岡 夕比:「……」
美堺 菜麻:「私もそこは気になっていますけど」
美堺 菜麻:「もうここまで話したのですから全部ゲロって楽になりましょうよ」
GM:美堺に促されて、田岡は一瞬キョトンとした後、首を傾げてみせた。
田岡 夕比:「……いやぁ…」
田岡 夕比:「そっちは知んねぇ」
田岡 夕比:「正直その話、頭のおかしくなったみっちょんの妄想だと思ってる……コワ……」
美堺 菜麻:「えぇ……」
美堺 菜麻:「あと呼び方統一して下さいよ……」
田岡 夕比:「え~~……やだ~~~」
田岡 夕比:「とにかく、そこのところの認識の話はボキも分かんない。そして、本人は死んじゃったから真相は闇の中だねぇ」
美堺 菜麻:じーっと田岡を見つめる。
美堺 菜麻:じーっ。
美堺 菜麻:じーっ。
美堺 菜麻:じーっ。
美堺 菜麻:「……本当に知らなそうですね」
田岡 夕比:「……うん。もし分かったらむしろ教えて」
二郷 友典:「なんか、釈然としねぇぜ…」
美堺 菜麻:「うーん、何か洗脳でも受けてたんですかねこれ」
美堺 菜麻:だとしてもいつ、どこで?
頭を捻っても答えらしい答えは出てこず、彼女が施してた細工のことを考え。
美堺 菜麻:「……誰か協力者でもいたのでしょうか」
美堺 菜麻:ぼそりとそうつぶやいた。
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《獲得した情報》
田岡から以下の内容を聞き取りした。
吾妻秋穂はある日、突然田岡の前に現れた女性である。
幼いころにオーヴァードに覚醒した姉、夏稲とは離れて暮らしていた。
姉が死亡した理由を突き止める為、彼女は独力で調査を行い、UGNにまで辿り着いた。
これを邪険にするわけにもいかず(そして脅すための材料を秋穂は用意していた)、田岡はUGN上層部と交渉、秋穂をサポーターとしてUGN内に潜入させた。田岡自身も、吾妻夏稲の死の真相は知りたかったからというのも大きい。
吾妻秋穂はオーヴァードではないが、対ワーディング装備は所持していた。今回の被害はそれが裏目に出たと言えるだろう。
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※ここで5日目が終了。6日目は宵野間の手番で調査が再開される。
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宵野間 灯:実地調査:ジャームによる被害 〈RC〉難易度:10
宵野間 灯:共同調査NPC:印南 標
「【NPCサポート】印南 標:判定後に達成値+3」が適用可能。
宵野間 灯:8dx10+15
21:19:<BCDice:宵野間 灯>:DoubleCross : (8DX10+15) → 10[1,2,3,4,6,6,8,10]+8[8]+15 → 33
難易度10を達成、調査成功。
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《獲得した情報》
現場のジャームの死骸を始めとする残留物内から、奇妙な成分が検出される。
また四足歩行のジャームは全く同質の細胞を持っていることが検査で判明した。
ジャームから検出された成分は、レネゲイドウィルスを活性化させるある種の毒素だと判明した。これは既に確認されているブラックアビスなどと異なり、非オーヴァードをオーヴァードに覚醒させる可能性のあるものだ。
さらにこれは高い不可逆性を持つ。もしオーヴァードにこれが使用された場合、ジャーム化を免れたとしても『グレーゾーンのジャーム』の基準値あたりで侵蝕率が高止まりすると考えられている。グレーゾーンにこれが使用されたならば……考えるまでもない。
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GM:宵野間、美堺、印南は先日ビッグ・キング・ダディと達ジャームと戦闘した場所を中心に、現地での調査を行った。
GM:戦闘中、クリーピング・ラットが攻撃された際に、宵野間の侵蝕率が1点上昇する状況があった。その正体が毒によるものだということが判明する。
宵野間 灯:「オー……コールドネス。この毒素はとても危険のようです」
GM:オーナーと呼びかけて、コードネームで呼ぶ宵野間である。
印南 標:「……」
印南 標:「ああ、そのようだ、ね」
印南 標:深刻そうな表情で調査結果を確認している。
宵野間 灯:「……どうかしましたか?」
宵野間 灯:話すのは得意ではないが、不安の種は消しておきたいので話しかけた。
印南 標:「これは二郷からの報告だけれど、ビッグキングダディも、妙な薬品を使って強化を行ったらしいね」
印南 標:「あのジャームも、自らのレネゲイドウィルスを活性化させて強化を行っていたとか」
美堺 菜麻:「あぁ、そうか印南ちゃんあの時死んでましたね」
印南 標:「……」
印南 標:「と、とにかく」(ちょっと恥ずかしそう)
印南 標:「敵側はその成分を使いこなしている、と考えるべきで……」
印南 標:「…………この件、僕はこの情報を秘匿すべきだと、思います」
宵野間 灯:「どうしますか、オーナー?」
美堺 菜麻:「うーん……内通者がいるかも知れない状況で何でもかんでも共有するのはあんまり得策じゃないですからね。私は印南ちゃんの考えに賛成なのですが、アノはそれでいいですかね?」
宵野間 灯:「グレーゾーンである私に決定権はありません。お二人の選択に任せます」
印南 標:「……(困ったように顔を顰め、額の汗を拭く)」
美堺 菜麻:「任せるって言うのも立派な決定権ですよ」
宵野間 灯:「ああ言えばこう返ってきますね……」
宵野間 灯:「わかりました。私は異論ありません」
美堺 菜麻:「では印南ちゃん、この件は秘匿ということで」
印南 標:「ありがとうございます。内通者もそうですが、こんな物質が存在すると知れ渡るだけで、UGN内が混乱しますからね」
印南 標:「事件解決までは、我々が把握しているにとどめておくべきでしょう」
美堺 菜麻:「それではこれは三人だけの秘密で」
GM:では、キミ達はこの場で知ったことを心の内に留め、その場をあとにしたのであった。
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