【シーン4:焼肉】

【ミドルフェイズ】

シーン4:焼肉 シーンPC:PC② 宵野間 灯 PC➀も登場可


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登場侵蝕率上昇判定


宵野間 灯:1d10

<BCDice:宵野間 灯>:DiceBot : (1D10) → 4


宵野間侵蝕率:49


※このシーンでは肩慣らしということで調査項目が1つあることを伝え、相談の結果PC➀は登場を様子見することにした。侵蝕率などの兼ね合いもあって、“登場しない”という選択肢が有効になりえるのもダブルクロスの難しく面白いところだ。

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GM:君達は早速、調査を開始した。


 調査項目は以下の一つ。

○資料の整理:実行犯達について 〈情報:UGN、裏社会〉難易度:11


GM:今回、NPC達が調査を手伝ってくれる。

GM:以下の効果を任意に1回ずつ使用できる。


【NPCサポート】印南 標:判定後に達成値+3

【NPCサポート】二郷 友典:判定前にC値-2

【NPCサポート】田岡 夕比:判定後に振り直しが1回可能


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※NPCサポートとは、本シナリオのハウスルールである。対策チームのメンバーは自由に使えるリソースとしてPC達の判定や戦闘に協力してくれる。

 これは1度の判定で同時に2人以上使用することも可能だ。


 ……というボーナスもあって難易度は少し高めの判定である。難易度11というのは、なんのボーナスもなければクリティカルが必要になる数値である。

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宵野間 灯:【NPCサポート】印南 標を使用

宵野間 灯:【NPCサポート】二郷 友典を使用

宵野間 灯:コネ:UGN幹部を使用


宵野間 灯:3dx8+1 情報:UGN

<BCDice:宵野間 灯>:DoubleCross : (3DX8+1) → 10[3,3,8]+1[1]+1 → 12


GM:成功!


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※このセッション初の判定成功に全員が安堵した。

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GM:調査は順調に進み、以下の内容が整理、取得できた。


GM:犯行は常に2か所以上で行われている。

 また、UGNに関係するオーヴァードがいる場所を狙い打ちされており、関係者の情報や行動記録が敵に漏れている。

 犯行予告のビデオには高度な隠蔽処理が施されており、情報が得られない。ノイマンもしくはブラックドック等のシンドローム保持者の関与が疑われる。

 ビデオの内容から、推定される首謀者のジャームを『オルタナティブ(二者択一)』と仮称することになった。


GM:現場においては複数回、凶悪なFHのジャーム、通称『ビッグ・キング・ダディ』の出現が記録されている。キュマイラの凶悪なジャームだ。

 そしてそれとは別で、映像記録などには一切残っていないが女のジャームの目撃証言が得られている。凶悪な目つき、燃える瞳の女のジャームだったと。



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二郷 友典:「あ~~~~つっかれたぁぁ」


GM:その日の調査がある程度の進展を得た夕方頃。二郷が大きく伸びをして宵野間達その場にいたチームメンバーに声を掛ける。


二郷 友典:「っし、飯だ飯。焼肉行こうぜ。俺のおごりでいいよ」


GM:部屋にいた面子からは、歓迎の声が上がった。


対魔忍:「ああ。なら近くにいい店がありますよ。ちょっとお値段しますが……」


二郷 友典:「気にすんな。こちとら 高給取りリッチ だぜ]


GM:そして、二郷は宵野間の方にも声を掛けた。


二郷 友典:「お前も行こうぜ宵野間。印南がついてくりゃあ問題ねぇだろ?」


宵野間 灯:「……」


宵野間 灯:少し嫌そうな目を印南に向ける。彼女が行くのであれば、飼い犬である自分に拒否権はない。


二郷 友典:「よし、行くぞ!」


印南 標:「まぁ……構わないでしょう。ただの食事ですし」


宵野間 灯:「わかりました」


宵野間 灯:極力人の目を気にしないように、下を向きながらついていく。


GM:ということで、一同は焼き肉屋へと向かったのであった。




GM:席に着き、宵野間の対面に座った二郷と対魔忍がサングラスをかける。


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※おもむろに立ち絵がサングラス付きに変わる男NPC2人。

 ちなみに焼肉の参加者は宵野間、二郷、対魔忍、印南、田岡である。

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田岡 夕比:「なにそれ~~」


二郷 友典:「吾妻から聞いた。視線がダメなんだろ。宵野間は」


田岡 夕比:「ウケる~~~」


宵野間 灯:「私に気を使って、ですか……?」


宵野間 灯:驚いた顔で二郷を見る。


二郷 友典:「まー、そういうことになるが……」


GM:照れ臭そうに頬を掻く二郷。


対魔忍:「ちょっとの気遣いで、皆が美味しく食事できるなら、それに越したことはないですからね」


宵野間 灯:「別に私のことは無視していただければそれでいいのに……」


二郷 友典:「ん~~、いや、ん~~~」


GM:少し歯切れが悪そうにする二郷。


GM:そうしている間に田岡が適当に注文を取っていた。



~食事進行~



二郷 友典:「ぷはぁ」ビール瓶をテーブルに置く。


二郷 友典:「……おめぇー、さ。宵野間。どういう経緯でグレーゾーンになっちまったんだよ」


GM:おもむろに、二郷が尋ねる。


宵野間 灯:「……」


宵野間 灯:それを聞いてどうなるのだろう。

 そんなことを聞いたところで、何も変わらないのに。


宵野間 灯:そんな風に思ったが、話さなければ解放されそうになさそうだと二郷を見て思う。

 箸を置き、渋々口を開いた。


宵野間 灯:「レネゲイドのコントロールが下手だから。それまで期待されていたのに、それが失望に変わった」


宵野間 灯:「そうしたら今度は人の目が怖くなった。目を見る度に暴走し、周りのものを巻き込むオーヴァード。そんな危険な存在がグレーゾーンじゃなくて、なんだと言うんですか?」


宵野間 灯:「私生活もまともに過ごせない、そんな存在をジャームとして処理しないだけマシだと思います」


宵野間 灯:「それだけですよ。ただのジャームです。たまたまグレーゾーンっていう救済措置で生かされているだけの」


二郷 友典:「……視線が失望に変わるのが怖くなった、か」


GM:少し考え込む様に沈黙したあと、少し酒を呷る二郷。


二郷 友典:「そういう評価って、なんつぅか……上からくるもんだろ」


二郷 友典:「なんか……誰かいなかったのかよ。同じ目線?期待とか失望とか抜きにしてよ、おめぇに接してくれる…………友達とか、同期みてぇのはよ」


宵野間 灯:ふるふると首を横に振った。


宵野間 灯:「分かるんです。敏感なので」


宵野間 灯:「些細な変化とか、感情の揺らぎみたいなものは、必ず目に現れるから」


二郷 友典:「……そうかよ」

 難儀だな、と唇を噛む。




田岡 夕比:「え、なに?二郷ちん。好き?好きなの?よっちんのこと」


印南 標:「(こいつさぁ、の顔)」


二郷 友典:「馬鹿。ちげぇよ」


二郷 友典:「なんつぅーか……こいつの人となりが知りたかっただけだよ。そうじゃねぇと、いざという時 選択えらべ ねぇ」


田岡 夕比:(何言ってんだコイツの顔)


二郷 友典:「俺達が追ってる『オルタナティブ』の件で、最近考えるようになってよ。結局俺達は戦いでも何でも、いっつも『選んで』る」


二郷 友典:「どいつを助けるのか、守るのか、倒すのか。どいつとの絆を大切にするのか、切り捨てるのか」


二郷 友典:「選択の連続だ」


二郷 友典:「知らねぇヤツと自分のダチのどっちもがピンチで、どっちかしか助けられねぇなら……そりゃダチの方を助けるだろ。人生って、そんなもんだ」


二郷 友典:「んだから、よ。知っときたかったんだよ。同じチームで戦う仲間として……いざという時、 守護まも れるようにな」




田岡 夕比:「よっちん、分かる~?このオッサンの言ってること」


宵野間 灯:「私はグレーゾーンを人だと思っていません。だから、その対象に私が入っていることが不可解で仕方ないです」


田岡 夕比:「こっちもこっちでウケる~~」


宵野間 灯:「だからわかりません。なぜそこまで、私たちを仲間と認識できるのか」


二郷 友典:「前にも言ったが、こっちはグレーゾーンで差別するつもりはねぇんだよ。そこは譲んねえぞ」


二郷 友典:「その上で、同じチームとして同じ巨悪を追ってんだ。仲間って充分思えるぜ、俺はよ」


二郷 友典:「別におめぇが俺のことをどう思おうが勝手だがよ。俺はお前をそう思ってるし、上から目線で期待なんかしねぇ。そういうヤツがいるってことだけぁ、覚えとけ」



宵野間 灯:「……」


宵野間 灯:「変わった人……」


宵野間 灯:自分に対して、二郷のように接する人間は今までもいた。

 けれど私が戦う姿を見て、その度に私へ向ける目が変わったのも事実だ。


宵野間 灯:期待してはいけない。


宵野間 灯:でも、


宵野間 灯:それでも──、


宵野間 灯:もしも私がもう一度"人間"に戻れるとするなら……。



宵野間 灯:「覚えておきます。あまり期待はしていませんが」


二郷 友典:「おう。お互い期待せずに勝手にいこうぜ」


GM:そう言ってビールを飲み干し、おかわりを頼む二郷であった。


~シーン終了~

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