【シーン1:招集】

【オープニングフェイズ】

シーン1:招集 シーンPC:PC➀ 美堺 菜麻


 ある日の午前中、美堺に任務参加の依頼がされる。

 最近問題になっている、連続した事件への対策チームが結成されることになったのである。

 UGN内でも評価されている美堺菜麻が指名されたのは、少しも不思議なことではなかった。


~UGN内本部、食堂~


吾妻 秋穂:「やぁ。隣良い?」


GM:食堂の一角。食事をしている美堺に声を掛けてきたのは友人である吾妻秋穂であった。


⇓吾妻秋穂情報⇓

https://kakuyomu.jp/users/romanesco/news/16817139554635434977



美堺 菜麻:「あっ、吾妻ちゃん。全然いいですよどうぞどうぞ」

 カレーライスを食べていた手を止めわざわざ椅子を引き座りやすい様にする。


吾妻 秋穂:「ふふっ、ありがと」


GM:自分のランチのトレーを置きながら、吾妻は席に着く。柔らかい髪が微かに揺れた。


吾妻 秋穂:「美堺さん、テロ事件の対策チームに選ばれたんだってね」

 食事を始めながら、そう世間話のように尋ねる。


美堺 菜麻:「そうなんですよ。まさかパートナーを半殺しにした私が選ばれるなんてビックリです」

 食事を再開しながら陽気に話ながらも、その目には若干の憂いが込められていた。


吾妻 秋穂:「あはは……大丈夫だよー」

 そう苦笑してみせる。半殺し、だなんて物騒な言葉遣いだが、それが美堺の癖であると承知しているのだ。


吾妻 秋穂:「だって、私もだからさ。美堺さんが選ばれたのは、全然不思議なことじゃない」


GM:吾妻秋穂は基本的にUGNの活動において裏方業務に徹している人物である。必要な情報の整理や、支援物資の調達などを得意とする。

 UGNの活動において、ジャームとの戦いでの戦闘力は大事な素養だが、彼女のようなサポーターも必要なのは事実である。

……が、彼女自身が特筆すべき人材ではない……というのも事実だ



美堺 菜麻:「吾妻ちゃんも選ばれたのですね。吾妻ちゃんは仕事が丁寧ですから、きっとそういう所が評価されたのですよ」


吾妻 秋穂:「それはそうと登場侵蝕率ダイス振ってね」


────────────────────

※GMがダブルクロスのマスタリングに不慣れなのが顕著に出た。突然のメタ発言をするNPCに笑いながら、PC1の登場侵蝕率上昇がここで行われた。


美堺 菜麻:1d10

<BCDice:美堺 菜麻>:DoubleCross : (1D10) → 10


GM:たけぇ


美堺侵蝕率:43


────────────────────


吾妻 秋穂:「ははは……実は、チーム結成の噂を聞いてね。霧谷さんに頼んだんだ。だから評価じゃないかも……」

 少しだけバツが悪そうにそう白状する。


美堺 菜麻:「そうなの? どうして?」

 そこまでして参加したい理由が何かあったのかと気になって聞いてみる。


吾妻 秋穂:「……えっと」


GM:一瞬、言葉が詰まったような表情。どう答えたものか、逡巡したようだった。


吾妻 秋穂:「……このテロで、私のお世話になったエージェントの人……殺されちゃったんだ。だから……許せなくて」


美堺 菜麻:「あー、そっか」


美堺 菜麻:「大切な人、ぶっ殺されちゃったのか……」


美堺 菜麻:「それならそのぶっ殺された人のためにもこの事件解決したいですよね」

 うんうん大真面目に頷き相手の気持ちに寄り添う。

 本当はその人の詳細を聞きたかったけど、そこに踏み込むのは無遠慮かなと控えた。


吾妻 秋穂:「うん……私は……許せないから……」

 聞こえるか聞こえないか、微妙な声量でそう呟く。

 そしてすぐに顔を上げて、明るい調子に切り替えてみせた。


吾妻 秋穂:「そういえば知ってる?今回のチーム……グレーゾーンのジャームも投入されるって」


美堺 菜麻:「グレーゾーン……」

 その言葉に暴走を止めるためとはいえ半殺しにした自分の元パートナーを思い出す。


 それと同時に。


美堺 菜麻:「大丈夫? 吾妻ちゃん?」

 彼女のお姉ちゃんの件が気になって心配の声をかけた。


※吾妻秋穂にはグレーゾーンのジャームである姉がいて、既に死亡していることを事前にPLには提示している。吾妻 秋穂にとって姉は大切な人物であったのか、悲しげに視線をテーブルに落とすだろう。


吾妻 秋穂:「大丈夫……だと思うよ。でも……」


「今回の事件、UGNのエージェントが何人も殺されてる……きっと激しい戦いになるんだよ」


吾妻 秋穂:「そしたらまた……使い捨てられるのかな……」

 どこか苦々し気に、彼女はそう呟く。彼女にとって姉はグレーゾーンのジャームという、ジャーム狩りの道具として使い捨てられてしまった人、という認識らしい。


美堺 菜麻:「…………」

 使い捨てられる。

 彼女の呟きを聞いてしまって、そんなことないよ、大丈夫だよって言いたいのに、言えなくて。


美堺 菜麻:「……まぁ、最悪使い捨てられる前にどいつもこいつも使い捨ててやればいいんですよ」

 そんなことしか言えなかった。


吾妻 秋穂:「……ごめんね、気を遣わせちゃった」


GM:吾妻側も美堺の考えを汲んだのだろう。僅かに笑って謝った。


美堺 菜麻:「……あっ、そういえば」

 落ち込んだ空気を切り替えるつもりで話を変える。


美堺 菜麻:「そのグレーゾーンの中に何か気になる人っていますかね? 例えば」


美堺 菜麻:「接し方が特殊な人、とか?」


吾妻 秋穂:「あーー、そうだね。少し聞いただけではあるんだけど」


吾妻 秋穂:「なんでも……すぐ暴走しちゃう…………、だって……」


吾妻 秋穂:「コードネームは……アイズ イズ ノイズ」


美堺 菜麻:「アイズ イズ ノイズ……」

 すぐ暴走しちゃう、危ない人。

 元々処理班にいた身として注視しておいた方がいいなと頭の中に入れ込んで。


美堺 菜麻:「……まぁ、最悪また半殺しにすればいいですかね」

 本当は嫌だけど、嫌なことをするのも私の役目だからとカレーライスを食べ終えた。


GM:その言葉に吾妻は静かに目を細めた。噂の危険なグレーゾーンを管理する人物……オーナーについてを吾妻はもう知っていたのだ。


吾妻 秋穂:「美堺さんがそうする必要は……ないかもね」


GM:そうボソリと言って、吾妻も食事を終えて立ち上がる。


吾妻 秋穂:「じゃあ食べ終わったし、集合場所向かおうか。リーダー」

 冗談気味にそう呼んでみせる。


美堺 菜麻:「リーダー……ッッッヒヒッ。なんだか照れ臭いですね、それ」

 昔からクセになってる引き笑いをして、彼女に頷き席を立った。


~シーン終了~

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