第5話、月と天狗

京都に着くとすでに夜になっていた。立ち並ぶ店の明かりで昼のように明るい。

人々は笑いながら酒を飲み、語り合っている。

気が付くと彼はいなくなっていた。

私は彼を探して喧騒の中を歩く。誰かと肩がぶつかる。足を踏まれる。彼を見つけようと背伸びをするが人混みで遠くまで見通せない。怒鳴り声が聞こえる。

突然周りの人々が空を見上げているのに気が付いた。空を指さして興奮気味に話している。私も空を見上げると、満月があった。

「綺麗だなあ」

よく見ると月明かりの中に空を舞う人影が見える。

彼は空を飛び月へ行ったのか

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

天狗の話 三角の扉 @Kumohitotsunai

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る