第2話、天狗泣く
ある日、夜の繁華街を通ると人だかりができていた。どうやら酔っ払いの喧嘩のようである。話を聞くと、小柄な方の男がもう一人にいきなりつかみかかったらしい。人と人との間から覗き込むと、小柄な男とは彼のことであった。警官がやってきて二人を引き離す。
私は彼に駆け寄った。「一体どうされたのですか」
彼の言うには、酒を皆で飲み、いい気になって「私は天狗である」と言ったところその男に馬鹿にされた。それで殴った、というのである。
「これほど無念なことはない」彼は泣いた。私もまた泣いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます