第八話 『変態じゃないんだよーー!?』
もぐもぐ、ごっくん。
チラッ。
もぐもぐもぐ、ごっくん。
チラッ。
もぐもぐもぐもぐもぐも…
「おっほん!葉山さん?」
「は、ひゃい!?」
あ、噛んだ。
「あのですね…さっきから合間合間にこっち見るのやめてくれませんか!」
「え、その…すいません!」
ですよねー!そら自分の方を食事中に何回も見られたら不快ですよねー。
いやでもですよ!?隣には完璧美少女。
うん、見ちゃうよねー、なんなら目の保養になるから何回も見るよねー。
はい、ヘンタイデスイマセン…
「あ、いや謝って欲しいわけではなく…その、あまり思い出したくないというか」
「?」
謝って欲しいわけではない?それに思い出したくないとは…
「いえ、個人的な事で…その…視線が」
「視線が?」
「葉山さんは違いますよ?ただ、今までこちらを不埒な目で見られたりする事があって、それで人の視線に敏感になってしまって…。こう、葉山さんのは純粋で悪意はないのは分かるんですが、どうしても嫌な方を思い出してしまうんですよね…」
「……………」
純粋な視線とはこれ如何に?
と、ともかく。
高瀬さんは過去に不埒な目で見られた事があり、それが若干のトラウマのようになってそのせいで視線に敏感になったと。しかもトラウマになるくらいって事は、その不埒な視線を向けられたのは一度や二度ではないのだろう。
そして俺が何度もチラチラ見てしまったせいでそのトラウマを思い出してしまったと。
結論。
俺が1000%悪い。そして変態。
「死んでお詫びします!!」
「なんでですか!?」
「いや、俺のせいで嫌なこと思い出したみたいで…」
「葉山さんのせいではないです!しかも、思い出してしまうのは私の落ち度であって」
「いやでも…」
「葉山さんは悪くありません!それに、ヒイ!?」
ヒイ?
え、今の声って…
「は、はやまさん。その」
「?」
「はやまさんの後ろにいるそれは……」
「後ろって...」
え、何!?後ろになんかいるの?振り向くのがめっちゃ怖いんですけど!?
く、でも、怖いけど気になってしまう。
ええい、男は度胸だーーー!!
「.....チラッ」
たらー。
そこに居たのは.....クモだった。
天井から垂れ下がって来ている大体2センチぐらいのクモ。
うん、そこそこデカイな。
「...なんだ、クモかよ」
「ひ、ひえー!?」
高瀬さんが俺の背中にしがみついてきた。
ヤワラカイ。ナニコレ?
………………プシュー(処理落ち中)。
……っは!?
「えー、高瀬さん!?」
「…………してください」
「え?」
「今すぐその悪魔を駆逐してくださいっ!!お願いします!!」
とりあえずその後その場を離れる事で高瀬さんは落ち着いた。
ちなみにその間高瀬さんはひたすらクモを怖がっていた。
可愛かった。柔らかかった。
……ヘンタイデスイマセン(デジャヴ)
「……忘れてください」
「え、何をですか?」
「…………………ニコッ?」
「了解しましたー!!」
うん、やっぱり高瀬さんは可愛いけどちょっと、いや結構……かなり怖いっす。
結論。
完璧にも苦手はあるよね。
そして高瀬さんはヤワラカ……ゲフンゲフン!
ぼくはへんたいじゃないよほんとだよ?
いやほんとスイマセン……。
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