第七話 『怖かったデス』
時刻はお昼時。
四時限目の授業の終わりを告げるチャイムがなり、クラスが休憩モードに入ったその時。
そう、俺は油断していたんだ。
「お昼一緒にどうですか葉山さん?」
「……………………え」
だから、そう。
この状況は。
ははははははははははははははっ。
もう笑うしかねえよ…………。
はぁ〜……詰んだな、これ。
完璧美少女の高瀬さんとの想定外の出来事の翌日。
まぁ当たり前だがいつも通り登校していた。
いやそもそもの話、どれだけ考えたり悩んだりしても結局学校に行かないという選択肢は存在しないので!
正直高瀬さんとのやり取りは精神がゴリゴリに削れていくのだが、それを楽しいと感じてしまっている自分もいる。
(自分の事ながら、面倒だよな俺の性格…)
ちなみに俺はマゾではない。絶対に!
と、言うわけで。
学校に到着した訳なのだか。
うん、暇っっ!(デジャブ)
安定の一番乗りで学校に来たのはいいとして、暇つぶしができない俺にはこの時間はかなり苦痛なのだ。
じゃあ早く来なければいいって?
残念ながら染み付いた習慣はちょっとやそっとじゃ直らないんだよな〜……。
どうしよっかな……。
こういう時にぼっちは辛いよな……。
誰でもいいから来ないかな……。
と、今更ながら自分のボッチ生活に対して後悔、というわけではないが不利益について考えていると、
ガラガラッ。
教室の戸が開かれた音で思考が中断された。
「おはようございます葉山さん。今日も早いですね」
「お、おはよう…」
うん、コミュ症〜!
はは、ついさっきまで誰か来ないかなーとか考えてた俺を殴ってやりたい。
いや確かに高瀬さんは俺に気づいてくれる唯一の人だし、昨日は俺のことを肯定?してくれたんだけど。
でも!でもだぞ!?
今までろくに人と喋って来なかった奴が、いきなりクラスどころか学校のカーストトップに位置している高瀬さんと会話とかユ◯モ装備(無強化)&鉄刀(無強化)でアルバ◯リオンに挑むようなものだぞ!?
ひ、ひとまず高瀬さんの様子見を……。
チラッ。
うん、あれだ。
高瀬さん何もこっちの事気にしてないわ。
クッソ、さっきまで俺は何を考えてたんだ。
マジでこれだと自意識過剰のキモ野郎じゃん!
ああ、嫌だわ〜……
そして気づいた頃にはクラスには朝の活気が溢れていた。
(……切り替えよ)
そして今日もいつも通りの1日が……始まらなかった。
時刻はお昼時。
四時限目の授業の終わりを告げるチャイムがなり、クラスが休憩モードに入ったその時。
そう、俺は油断していたんだ。
「お昼一緒にどうですか葉山さん?」
「……………………え?」
だから、そう。
この状況は。
ははははははははははははははっ。
もう笑うしかねえよ…………。
はぁ〜……詰んだな、これ。
「え、高瀬さん今誰に話しかけた?」
「ほら、そこにいる地味な……あれ?」
「おい!高瀬さんにお昼誘われる羨ましい奴は………どこだ?」
おーおー、見事に盛り上がっちゃってー。
てっきり高瀬さんから誘われたからって嫉妬に狂う奴に殺されるとか思ったけど……。
誰も俺を上手く認識できていない。
……はは(ホロリ)
「葉山さん?お返事は……」
「あ、ああ。い、行きます。行きましょう…」
「そうですか!では行きましょう」
そしてそのままスムーズに……。
「「ちょっと待った!」」
行けなかった。
イケメンズの2人、赤井陽介と齊藤修二。
この2人が俺たちの前に立ち塞がった、
「「高瀬さん!そんな地味な奴より俺達と…」」
「退いてくれませんか?」
はずだったのだが。
「「あ、はい」」
「行きましょう、葉山さん」
「……はい」
………………こ、怖えええええええええ!!
今の高瀬さんが一瞬発した殺気みたいなの怖すぎるううう!
あの2人がマジでなんも会話できずに退かされた……。
ヤバすぎる……。
そして俺がいつも使っている屋上前の階段に到着した。
「……………………」
ナニハナセバイインデスカ?
オシエテクダサイ。
「…………え、あの」
「さて、お昼ごはん食べましょうか!」
「は、はい……」
うん、俺に拒否権はないんだよ?
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