第5話

でも、それはあなた自身の中にもあるんですよ。あなたの魂の中にね。そして、それは、あなただけのものじゃない。全ての人間の中にあるんです。つまり、この世界のあらゆるところに、同じものがある。それがぼくらの言うところの神というものです。……なんだかややこしいですね。まぁ、ぼくも全部理解できたわけじゃありませんけど、とりあえず、今言ったような感じのことをぼくは言いたかったんだと思いますよ。

とにかく、ぼくらがやるべきなのは、そういった神と対話することなんじゃないかと思うんです。そうやってぼくら自身が納得した上で、自分の人生の意味とか役割を自覚していく必要があるんじゃないでしょうかね。

そうすることで、ぼくらの人格はより高みへと昇華されていくはずです。そして、それは同時に、この地球上の平和にも貢献することになると思いますよ。

まあ、そんなことを言っても、どうせみんなは理解できないでしょうけどね。でも、いつかきっとわかる日が来ると思ってますよ。その時のために、今はじっくり勉強したり読書をしたりして知識を身につけておいてください。そうすれば、ぼくらの世界に対する見方も変わってくるはずですよ。それじゃあ、また会う日まで。さようなら。

「ここまでをまとめられるかい?」

と神様が言ったので、疲れ果てながらも俺は言った。

「ぼくらは、脳の中でしか生きられない存在であるて、ぼくらは、自分の意志で思考していると思い込んでいるだけで、実際はぼくらの脳細胞の中にある記憶バンクにアクセスすることによって、自分の意志のように感じさせているだけであって、ぼくらの体は単なる入れ物に過ぎず、ぼくらの魂は存在しなくて、ぼくらは、人間としての基本的な欲求を持っているものの、その欲求を叶えるために行動することはなくて、ぼくらは、自分が何者かを知ることができず、また知る必要もないと考えているて、ぼくらの肉体は、ただ単に脳からの指令を受け取るだけのものに過ぎず、それを動かすための筋肉はなくて、人間の精神は、意識や思考といった抽象的な概念を伝達するための単なる道具に過ぎなくて、人間が人間であるための条件とは、他の生物と共存できるかどうかであって、人間にとって最も大切なものは、自分の中にある正義の心であり、それを信じる心こそが本当の意味での人間性なのであって、人間は、この世に生まれた瞬間から、必ず死ぬ運命を背負っているってことです!」

自分でも何を言っているかわからなかったが神様は満足げにうんうん頷いていた。

「素晴らしい。それじゃあ約束通りきみに恋愛運を授けよう」

「あっ、あぁ、はん……!ありがとうございます……」

「きみの隣の席にかわいい女の子を用意するから、いい感じに話ができるよ」

そう言って神様は消え去った。俺はベッドに転がり込んで眠った。

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