第2話

「人間はね、死ぬと、魂になるんだよ」

そう言って、神様は両手を大きく広げた。神様は話を続ける。

それはね、死んだ人の体の中に残っていた記憶の残滓のようなものが、空気中に漂っていたり、地面に染み込んだりしたものだったんだよ。それが、たまたま目に見える形をとって現れるようになったの。幽霊って言うと怖い感じもするけど、別にそんなことはないよ。まぁ確かに、普通の人から見ると少し不気味かもしれないけど。彼らはね、ずっと昔からこのあたりに存在していたの。ただ、その頃は、まだ実体があったわけじゃないけど。でもね、いつ頃からか分からないけど、だんだんと力を失ってきて、やがて消えていったんだって。

あぁ、そういえば昔、おじいさんから聞いたことがあったなぁ。この辺りの土地って、元々神様がいた場所なんだよって。その神様の力が弱まった時に、人間の方も同じように弱くなっていったんだって。だから、今の時代はもうほとんどいないみたいだよ。まぁ、あたしだって全部知ってるわけじゃないけどさ。でも、ほとんどの人は、あんまり気にしないんじゃない?……んーと、そうだねぇ。あぁ、そう言えば、最近、こういう話を聞いたことがあるわ。……えっと、どこまで話したっけ? あぁ、そうそう、つまりね、人間は、生まれる前と死んでからの時間を合計すると、一生分くらいの時間になるらしいの。

もちろん、みんなそんなこと忘れてると思うんだけど、時々思い出す人もいるみたいなのよね。そういう人たちのことを霊能力者っていうらしいの。あぁ、ちなみに、うちの家系にも何人かいたの。……うん、お姉ちゃんとか、お母さんとかお父さんとか。だから、ひょっとしたら、私もその血を引いてるのかもしれないわね……。

え? なんのことか分からないって? もう! 本当に鈍いわねぇ。幽霊よ、幽霊。あぁ、そういえば、あんたってそういうの信じない人だったっけ? まあ、いいけどさ。とにかく、この世の中には、普通の人では理解できないような不思議なことがたくさんあるってこと。そういうのを信じるかどうかは自由だし、別にそれで構わないとは思うけどさ。

ところで、こういう話をすると大抵の人は言うのよね。そんなのただの噂話に過ぎないじゃないかって。でもね、それが単なる噂かどうかなんて誰にも分かりっこないことなの。それに、たとえそうだとしても、私はやっぱり存在すると思ってる。だって、もし存在しなかったとしたら、私の家族はどうしてあんなことになったのか説明がつかないじゃない? だから、きっと何か特別な理由があったのよ。

例えば、こんな話を聞いたことがあるの。なんでも、昔はあの世とこの世は繋がっていて、死んだ人間はそこで暮らすことができたらしいの。だけど、時代が進むにつれて、科学の発展と共に、死者を弔うという風習も廃れていった。そして、今では、ほとんどの人が死後の世界というものを信じなくなった。そうやって、たくさんの人たちが死を恐れることなく生活していくうちに、人間の魂は徐々に穢れていき、やがては輪廻転生のサイクルから外れてしまった。つまり、人は死んでも生まれ変わることがなくなってしまったということ。

これって、考えてみれば恐ろしいことだわよね。だって、もし、この世から一切の死がなくなったとしたら、私たちの人生は終わることがないわけでしょう? 永遠に生き続けなければならないなんて。そんなの、耐えられない。

でもね、私にはどうしても分からないのよ。どうしてみんな、こんなにもあっさりと死の恐怖を克服してしまえるのかしら? なぜ、こんなにも簡単に命を捨てられるのかしら? 私はそれが分からない。

そういえば、少し前に、こんな話を聞いたことがある。人間の寿命というのは、生まれた時から決まっているらしい。そして、その寿命の分しか生きられないそうだ。だから、その限られた時間を精一杯生きるしかない。まあ、確かにそうなんだけどね。

でも、本当にそれだけなんだろうか? 人間は、みんな同じくらいの時間しか生きられなくて、それで終わりなんだろうか? もし、それが真実だとしたら、なんだかとても寂しいことだよね。だって、もしも仮に、自分の人生において、あと一年で死ぬと分かったとしたら、人は残りの人生をどう過ごすだろう? やっぱり、後悔しないように一生懸命生きたいと願うんじゃなかろうか。そして、その気持ちは、きっと誰もが同じように抱くものだと思うのです。

そう考えると、ぼくらの生きる時間はあまりにも短い。この世に生まれた瞬間から、もう既にカウントダウンが始まってしまっているのかもしれない。そして、死ぬまでの時間を目一杯使って、ぼくらは生きていかなければならない。だからこそ、ぼくらは、せめて残された時間の中では、悔いの無い生き方をしたいと思うのだ。

そして、ぼくはこの前、ふと思った。ひょっとすると、それは不可能なことなんじゃないかって。だって、自分の死期なんて誰にも分からないのだから。でも、それでもぼくは信じてみようと思う。いつか来るであろう自分の死に怯えながらも、最後まで精一杯頑張ってみると。そして、その時が来た時には後悔しないように生きることを。人生において最も大切なことは、自分のやりたいことをやるということだと思う。そして、それを成し遂げるためには、あらゆる努力をするべきだろうと思う。例えば、ぼくは小説家になりたい。そのためにできることは何でもやってみようと決めた。そして、それがたとえ無理なことであっても、やってやろうという気持ちになった。なぜならば、そうすることがぼくにとって最善の選択だと思ったからだ。こんな感じかなぁ。

お、終わった……?と俺が思った次の瞬間に神様は更に暴走する。

とにかく、これからも頑張ります! 今日はちょっと趣向を変えて、これまでの作品のあらすじみたいなものを書いてみることにします(は?)。

まず、ぼくが最初に書いた作品は、このエッセイ集に収録されている【 】です。これは、ぼくが高校一年生の時に書いたものです(俺に向けて言ってるんだよねこれ?)。まぁ、いわゆる処女作ってやつですね。そして、次に書いたのは、このエッセイ集に入っている【 】です。この作品は、ぼくが初めて小説を書いた時に書いた作品でして……いやー懐かしいなぁ。でも、この作品をこうして振り返ると、なんか恥ずかしくなってくる。それから、ぼくのデビュー作である【 】は、ぼくが大学三年生の時の作品です。この本の中では一番最初に出版された作品です。

それで、次は、ぼくが大学を卒業してからの初めての作品である【 】です。これを書いている時が一番楽しかったような気がするな。あと、ぼくが大学院に進学してからは初めて書いた作品でもある【 】がありまして。まあ、これも一応はデビュー作ということになるんですかね。他にも、短編がいくつかあって、ぼくが書いた作品のうち、これらの作品は、後に文庫化されたりもしました。

それと、ぼくの書いた長編としては、このエッセイ集に収録されている小説の他に、SF的な短編小説がいくつかあります。例えば、こんな感じです。

【あらすじ】

地球は宇宙人に支配されていた。彼らは地球人の意識を乗っ取って支配していた。そして、その事実を隠蔽するために、地球の人々に催眠術をかけて、自分たちの存在を記憶できないようにした。そして、その代わりに、彼らの科学技術の粋を集めて作り上げた超絶的なコンピュータシステムを与えてくれた。地球の人々は、このシステムを大いに活用し、高度な文明社会を築くことができた。しかし、ある日、突然のことが起こった。人類史上最悪の大災害である、宇宙からの侵略が始まったのだ。それまで、人類の科学力は宇宙人たちのそれを遥かに上回っていたはずだったのだが、突如現れた未知のウイルスにより、あっという間に劣勢に立たされてしまった。そして、ついに、人類は滅亡の危機を迎えようとしていた。その時、一人の天才科学者が現れて、新型ワクチンを開発し、瞬く間に全人口の九割を救った。しかし、残りの一割を救うことはできなかった。そこで、彼は残された最後の一人を救うため、単身で宇宙船に乗り込んでいった。

【登場人物紹介】(いつ終わるのこれ?)

名前:美堂真理亜

年齢:17

性別:女性

誕生日:12月24日

血液型:A型

身長:164cm

スリーサイズ:B83 W58 H85

容姿:髪は腰までのロングヘアーで、顔立ちはやや童顔。瞳の色は黒。肌は色白。性格はかなり控えめで大人しい。普段はあまり自己主張しないタイプなのだが、一度スイッチが入ると結構頑固になる。趣味は読書。特にSF小説を好んで読む。好きな作家はH・G・ウェルズとハインラインとクラークとアイザック・アシモフ。ちなみに、好きな食べ物はカレーライス。嫌いな食べ物は特になし。

備考:本作主人公にしてヒロイン兼メインヒロイン。一人称は僕。

名前:甘海春香

年齢:15

性別:女

身長:150cm

体重:45kg

BWH(カップサイズ):C

髪の色:黒に近い茶色

瞳の色:茶褐色

備考:本作のヒロインの一人。私立等桜学園に通う高校二年生。成績は優秀で学年トップクラスの成績を誇る優等生。性格は極めて温厚かつ心優しい。また、責任感が強く、人のために自分を犠牲にできる勇気を持っている。さらに料理が得意であり、彼女の作るお菓子やケーキはとても美味しい。普段は物静かであるが、時には感情的になることもある。両親は彼女が幼い頃に他界しており、現在は母方の祖母と一緒に暮らしている。しかし、彼女も両親と同様に事故で亡くなっている。彼女は幼い頃から不思議な力を持っており、その力は今も健在である。

「……すいませんちょっといいですか神様!」

「なんだい?」

「明日の朝には家を出なきゃいけないんですけどそれまでに終わりますかねえ?」

ああ、終わるよ。とだけ言って神様は続けた。

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