第135話 リディアちゃんの店内案内と注意事。
早朝8時。
焼肉店第一店舗へ保護されてきた主婦数名とカイルと共に向かいましたわ。
ドアの前には大勢の調理師さんやウエイターにウエイトレスさん達が集まり、わたくし達が挨拶をすると綺麗なお辞儀を為さいましたの。
一通り挨拶が住むとドアを開け、中に入ると皆さん感嘆の声が上がってましたわ。
「こちらが第一店舗の店内となりますわ。まず軽くご説明しますので皆さんメモなどを取りつつお願いしますわね。
まず、机は大理石で作った特注品で、穴の開いている場所には七輪と呼ばれる火をおこして食べれるものを置いてますわ。その中に炭をいれますの。良く見ていてくださいませ? 炭を入れすぎれば肉を焼く時に油で火柱が一気に上がりますから、余り多くは入れませんの。
火柱が起きた場合、製氷機から持ってきた氷で火を鎮めてくださいませね。また、炭が小さくなってきたら追加で少し入れるだけで充分ですわ。
七輪での火加減の調整は、こちらをご覧くださいませ、下にスライド式の小さなドアがあるでしょう? こちらで調整します。これは一度皆さんで焼肉を食べながら慣れて貰おうと思いますので、シッカリと頭に叩き込んでくださいませ」
「「「「はい!」」」」
「また、余分なスペースには焦げた網を変えるために、沢山の網を用意してますわ。網は彫金師に大量に作って貰いましたの。
焦げた網で焼くと肉も引っ付きやすくなりますわ。網交換を頼まれたら即座に網を変えてくださいませ。上に乗って居る肉はトングと呼ばれるコチラを使って新しい網に移動するか、落としてくだされば結構ですわ」
「「「「分かりました」」」」
「秘伝のタレを漬けて食べるシステムですけれど、こちらの三つに分かれた長い皿、こちらがタレ用のお皿となりますわ。タレは秘伝のタレ、甘ダレ、レモンダレが一般的ですので、今机に並べてみますわね。
あとはわさび醤油ダレもありますけれど、それは別途用意と言う形になりますの。また、タレにはすりおろしニンニクをつけて食べると美味しいんですけれど、そちらはコチラの容器にドーンと入れて貰いますので、調理師たちは忙しくなりますわよ」
「「「「「分かりました」」」」」
「お皿は、取り皿を人数分、お客様が座る前に用意して頂けると助かりますわ。そうですわね、大目に一つの机に10枚置いてくださいませ。フォークとナイフ、スプーン入れは机の上に置いてありますので、無くなる前に補充をお願いしますわ。一組が帰ったら机の上の者は全てチェックを入れるのを忘れないでくださいませ」
「「「「はい、畏まりました」」」」
「店内では以上ですわ。次に皆さんで厨房に移動します。厨房ではお米を炊きますので、まずはそちらから調理師の方々は勉強してくださいませ」
そう言うと厨房に移動し、5つの米専用の魔石付きコンロと、余りにも大きな大型冷蔵庫が沢山ある事で驚かれたようですわ。
「大型冷蔵庫は一つ一つ氷の魔石を2つ入れる事で二日は持ちます。必ず魔石を入れるのを忘れないでくださいませ。既にコップなどを並べていたりしますが、今回焼肉屋で出すお酒は一つに絞っておりますの。そちらはこちらの大型冷蔵庫に大量に入っているものですけれど、研修が終わった際に飲んでくださって構いませんわ。飲み過ぎは注意で一人一本までにしてくださいませ。
キンキンに冷えたビールを、こちらのまたキンキンに冷えたコップをトレーに乗せてお客様の元へと運びますわ。ウエイトレスやウエイターの方は、テーブルをくまなくチェックしながら、空になった皿の回収をお願いしますわね。皿を洗う場所はコチラになりますわ」
「これは……広いですね」
「専用洗剤を用意しておりますので、そちらを使いスポンジで洗えば油汚れなんて即落ちますわ。専用洗剤は切れないようにしますので勿体ながらずドンドン使って下さいませ。洗い終わった食器はコチラの棚に入れて炎の魔石を1つ入れると一日は持ちますわ。程よい熱風で乾燥してくださいますわ」
「「「「「凄い!!」」」」」
「コップは下の乾燥機に、食器類は上の乾燥機と覚えておけばよろしくてよ」
「「「「「はい!!」」」」
「コップは荒熱が取れたらまた冷蔵庫で冷やしてくださいませね。それと、コンロはお米用コンロが5つ、味噌汁用のコンロが3つ用意してますわ。
特大寸胴鍋を使って味噌汁は作って貰いますので、後で連れて来ている主婦の方にお話を聞いてくださいませ。肉の切り方もお教えしますわ。ですがその前に、味噌汁の作り方及び、お米の炊き方から教えて頂きましょう」
――こうして、箱庭でも使っている巨大寸胴鍋及び、大釜での味噌汁の作り方レクチャーのあと、米の炊き方を調理師たちはおしえて貰っており、残っているウエイトレスやウエイターたちも興味津々で見つめている。
それから程なくして味噌汁とお米も炊き上がり、このままの保温の仕方、失敗した場合等の話を主婦たちからシッカリと学んだ調理師たちは、全てをメモに取って記録していましたわ。
次に肉の切り方を目の前でやってみると、そこそこの厚さで切った肉を綺麗に皿に並べ、ツボ漬け肉のやり方や厚切り焼肉の切込みの入れ方、野菜の切り方、そして、ステーキの切り方を教えると、やはりツボ漬けと厚切り焼肉の切込みの入れ方に驚いていた。
豚肉に関しては、ベーコンやソーセージも大量に用意してある為、ソーセージの切込みの入れ方等も調理師たちはメモを取っていたようですわ。
「さて、此処までは宜しいかしら?」
「「「「はい」」」」
「では次に、限定商品の作り方ですわ。ニンニク漬け牛肉やニンニク漬け鶏肉、ニンニク漬け豚肉などを数量限定でお出ししますけれど、ニンニクは滋養強壮剤にも使われる程ですが、血圧の低い方が食べ過ぎると倒れますの。今から作るニンニク漬けは、血圧の低い方には食べないように注意をシッカリと伝えてくださいませ」
「「「「「畏まりました」」」」」
「では、作り方は簡単ですわ。すりおろしたニンニクを大量に肉にかけて満遍なくニンニクが肉に絡んだところで冷蔵庫に入れてくださいませ。ここの大型冷蔵庫に入り切るだけのトレー分で数量限定にして下されば結構ですわ。
営業時間ですけれど、朝11時から昼の15時までがお昼限定のメニューをお出しします。メニュー表は二つ。各机に置いていただくために皆さんに配りますわね。昼は【焼肉定食】でお肉に関しても夜の部とは違い、お出しする肉の種類も少なくしますわ。
けれど、夜の部はレッツパーリィ! と言う事で、お出しできる肉は全てお出ししますわ。よろしくて?」
「「「「「はい!!」」」」」
「相手は冒険者や食べ盛りの男性がお客様と思って、ドンドン肉をお出ししてくださいませ。一皿にはお肉は気持ち多めに。制限時間2時間の食べ放題ですわ。お値段についてもこちらのメニューに書いてありますから、皆様目を通してくださいませ」
そう言うと皆さんメニュー表を見ていらっしゃいましたが、肉の種類の多さに驚いているようですわ。
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本日二回目の更新です。
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