第136話 焼肉定食の実食研修と、新しい商品制作にまた挑む。

そう言うと皆さんメニュー表を見ていらっしゃいましたが、肉の種類の多さに驚いているようですわ。



「お肉は種類が多いですけれど、調理師たちは肉の判別は無論つきますわよね?」

「大丈夫です」

「お屋敷で慣れております」

「確かにこれは、中も外も戦場になりますね」

「ええ、最後にレジですけれど、最初にお金は支払って貰うシステムにしますわ。また、こちらの店の見取り図に赤と青の磁石ですけれど、埋まっている席は赤の磁石を、空いている席は青の磁石を置いてくださいませ」

「分かりました」

「アルコールではない飲み物が欲しいと言うお客様には、フルーツジュースを毎朝絞ったものを運んできますので、そちらを飲ませてくださいませね。フルーツジュースは二日冷蔵庫で持ちますけれど、二日目を過ぎるフルーツジュースは破棄してくださいませ。まぁ、余りフルーツジュースを飲むお客様は余りいらっしゃらないとは思いますけれど」

「まだ酒の飲めない年齢の冒険者なら飲みますよ」

「ああ、そうでしたわね。では、リンゴジュースとオレンジジュースを用意しておきますわ。では、七輪と焼肉の体験と行きましょうか。調理師の皆さんも是非焼肉を味わって下さいませ」



こうして、待ちに待った焼肉試食会となった訳だが、調理師たちが手際よく肉を人数分用意し、ご飯を盛ったお茶碗と味噌汁の入ったお椀まで用意してくれた為、後は炭火で焼きながら全員で食べる事となりましたわ。

一度は体験しないと分からない楽しみ方ですものね。

次々にあちらこちらから火柱が上がり、その度に氷で火を消したり、網が黒くなると各自網を交換するべく走り回ってますけれど、美味しく食べなら体験するのは大切ですわ。



「うま!!」

「ただ肉を焼いただけなのに」

「タレよ、このタレが美味しいんだわ!」

「ニンニクを入れるとこれまた美味い!」

「ご飯が進みますわ!」



と、好評な様子。

ホルモンの洗礼を受ける方々は多かったですが、氷の扱いに慣れましたわね?

網の交換も大事ですわよ。

こうして皆さんとで焼肉を味わうと――。



「この店は絶対に繁盛します!」

「相手は冒険者や食べ盛りのおじ様達よね」

「走らない程度に早歩きでガンガン回すしかありませんわ」

「厨房も忙しいでしょう。だから休憩を入れるのですね」

「週1、交互に店を休ませていただけたら幸いです」

「そうね、両方の店が閉まると暴動が起きるわ」

「二時間食べ放題でこの値段は少し高いけれど通う価値はある」

「冒険者は金を持っているからな。足繁く通うと思うぞ」



好評のようで何よりですわ。

これなら何とかなりそうですわね。



「この一連の流れを一週間で慣れて貰いますわ。その後第一店舗のオープン。その次の日に第二店舗のオープンとして、休日をずらしましょう。それでいいかしら?」

「「「「はい!!」」」

「では、お肉もタップリと食べたようですし、最後に一人一本、お酒を飲んで頂いて構いませんわよ」



そう言うとウエイトレスとウエイターたちが動き出し、皆さんや自分のコップとビールを持ってきてくださいましたわ。



「では、焼肉屋の成功を祈って乾杯!」

「「「「乾杯!!」」」」



さぁ、初めて飲むビールのお味はどうかしら?

そう思いつつビールを喉に流すと、皆さんから大変好評を得ましたわ。

これで焼肉店オープンは、第一号店は来週月曜。第二号店は火曜と決まり、後は皆さんに頑張って貰う事となりましたわ。

途中二回視察には来ますけれど、大丈夫だと思いたいですわね。

問題が無ければ、早く儲けたいですし。



――こうして、焼肉店での研修も終え、洗い物と乾燥まで様子を見てからわたくし達も箱庭に帰ることになりましたわ。

ただ、最後に雇われオーナーと副オーナー。

ウエイトレスのチーフと副チーフを各店舗で選んでおくように指示を出していたので、次に来た時には決まっているでしょう。



「疲れましたわ~!」

「でも、私たちでも先生になれたと思うと楽しかったです!」

「私もです!」

「タレと米の精米は任せてくださいね!」

「お願いしますわ!」



良い感じに疲労もしました事ですし、今日はゆっくりと温泉に入って疲れを癒しましょう。



「リディア達もお疲れ。俺の出る幕が無かったよ」

「その場にいて下さるだけでも違いますわよ」

「そうか?」

「そうですわよ?」



少しションボリしているカイルにそう告げつつ、一週間後のオープンまでの間に、まずは護符作りの説明を明日はしますわよ!!

それに長持ちする丈夫な水筒はロストテクノロジーで発見していたものですし、何とかなりますわね!

大量生産は難しいにしても、一日限定50個にすれば売れると思いますもの。それに、お値段も多少高く設定しますしね。

そうと決まったら――と、拡声器にしたブレスレットを口に近づけ、わたくしは錬金術師さん達に呼びかけますわ。



『業務連絡、業務連絡です。明日の朝、錬金術師たちは錬金術師小屋に集まり、新しいアイテムを教えますので作って頂きたく思います。仕事の始まる朝10時よりお集まりくださいませ』



そうやって連絡を入れる事で、遅刻者を無くし円滑に仕事を回せるようにしますわ!

それに朝は何かと忙しいんですの。

掃除だったり洗濯だったりと、皆さんバタバタですのよ!

明日からも、まだまだ忙しいですわ!!

でも、売れるものは売らないと、黒字にしてこそのサルビアですものね!



「カイル! わたくし、頑張りますわ!!」

「そうだな、まだまだ忙しいよな」

「ええ、ですからカイルは明日、薬師を探してきてくださいませ。王太子領でもダンノージュ侯爵領でも構いませんわ! 引退済みの薬師でも構いませんわ。【ひやりんこ】作成の為に必要ですの」

「お、おう」

「あと、サーシャさんのもとに向かって、明日の朝渡す服を、ほっかり布で作って貰えるように頼んできて欲しいわ」

「分かった」

「さぁ、まだまだ売りますわよ、頑張りますわ!」



商売は進化してこそ増やしてこそですもの!!

だからこそ止められませんわ!!






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生き生きとしたリディアちゃんが見えました。

燃えてるリディアちゃんの元気こそが

彼らの癒しかも知れませんw

そして、時折死んだ魚の目にさせられる……w


何時も☆や♡等有難うございます!

これからもボチボチ書いていくので応援よろしくお願いします(`・ω・´)ゞ

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