斧を持って雄叫びをあげる人間が無邪気に楽しめる「ソー:ラブ&サンダー」見た
Thor: Love and Thunder / 2022年製作の映画
鑑賞:2022.7.15 記事公開:2022.7.17
監督・脚本:タイカ・ワイティティ
前作は楽しかったし、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々も絡むし、タイカ・ワイティティだし、せっかくならIMAXで見たいしで劇場へ。
ソーの過去作は見てるはずだし今更予習はもう無理。大作新作が続いて微妙だったけど、IMAX間に合って良かった。そして久しぶりの3D上映。マーヴェリックより席は取りやすかった。
映画はまあ楽しい。とにかく楽しい。
前作ではプロモーション周りだけの雰囲気だった、70年代あたりのハードロックやヘビーメタルのアートワーク感が本編にまで滲み出してきた。劇中であんなにロックミュージックがかかる映画は久しぶりな気がする。初めの方のソー登場シーンなど高揚感が半端ない。
ヘアスタイルや自分探しのテーマとかをみると、今作のモチーフはヒッピー的なカルチャーだったりするのだろうか。ニュー・アスガルドもニューエイジなコミューンっぽい。そんなものを飲み込んでこんな楽しくなるんだから凄い。
キャストはみんな楽しそうで良かった。
特にラッセル・ゼウス。もうカトゥーンみたいに回って踊ってやりたい放題。テッサ・トンプソンは相変わらず素敵だった。クリスチャン・ベイルはクリスチャン・ベイルがやる必要あったか?とも思うけど、これっきりならまあいいかとも思う。
グルートはまたちょっと成長してた。
あとマット・デイモン出てた?というかあの寸劇チームの他の役者は、ルーク・ヘムズワース、サム・ニール、メリッサ・マッカーシーみたい。豪華すぎ。今までの粗筋をCGで見せられるのはちょっと飽きたからああいうのは楽しい。
子供達が立ち向かうシーンは、なんじゃそりゃ感もあるがやたらと盛り上がって良かった。
あとやはりヤギがよかった。
内容は、闘う力以外は普通の気のいいソーおじさんの人生の一場面を「神様あるある」を交えてご紹介。という風に見えた。タイカ監督のノリだと思うけど、隙間や細かいところに面白をとにかく詰め込んでくる密度が凄い。それも、「ソーが人と話しているときに、横から鼻をこちょこちょして集中できない」みたいに、画面や状況に反して日常的で地味だったりもする。この神の力とおとぼけおっさんと何千年も求めていた最愛の人を失うとかが渾然一体となって、ロックにまとまっているところがまあ凄い。
○企画意図
企画としては「MCUの一環として、人気者ソーの好評で売り上げもよかった前作の続編」という大前提はありつつ、前作から引き継いだ「おとぼけ系やり過ぎ悪ノリ」がさらに明確になって、アベンジャーズっぽさからソー単品のブランドとして世界観が作られたように見えた。
現在進行中のMCU作品は、まだ大きな流れが明示されているようには見えない。がコミックの流れを組んでいるだろうし、コミックを読んでいない身としては良くわからない。
○見どころ
やはり派手でロックなアツい展開だろうか。「脳筋」をここまで絵に描いたように見せてくれるものは中々お目にかかれない。ラスト手前の集団戦もアツい。興奮して夜中まで大きなハンマーを振り回して騒ぐお年頃のボーイ・ガールが目に浮かぶ。
そこに、受け入れるしかない辛く悲しい現実を合わせてくるのはタイカ・ワイティティ監督が「ジョジョラビット」で会得した必殺技。これは盛り上がらないはずはない。
お話修行目線で映画感想:2022 山本Q太郎@LaLaLabooks @LaLaLabooks
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