子供の時のワクワクが蘇る「シン・ウルトラマン」見た

シン・ゴジラもシンエヴァも面白かったので、今作も鑑賞。
早めにいけてよかった。けど、間違えてIMAXじゃなかった。無念。ウルトラマンはタイムリーな世代的ではない。テレビでセブンあたりまでは再放送で見ている気がする。タイムリーは80くらいだと思うが全く覚えてはいない。以後は全く知らない。




※※※※ ネタバレあり! ※※※※




庵野がウルトラマンやる!って発表された時が1番期待値が高くて、予告編もいくつか流れた今となってはちょうどいい期待感まで落ち着いてきていて、普通に楽しかった。
オープニングは矢継ぎ早にたくさん怪獣がでてきてアガッた。怪獣のデザインがちゃんとウルトラマンぽくてとても良い。

C Gなので、街が景気良く壊れててそこはよかった。舞台もセットっぽさは出しつつ広々としてていい。


ビジュアルは「まんまエヴァじゃん」と思うも、うん十年前にエヴァを見たときは「まんまウルトラマンじゃん」と思った記憶が甦り感慨深い。


ものは往年ファン向けとは思う。もちろん子供が見ても楽しめると思うが明らかに子供にはフォーカスされてはいないのは前提と考えていいと思う。


改めて考えてもウルトラマンの独創性には目を見張るものがある。ウルトラマンにはそれほど思い入れはない。けどいいコンテンツだと思う。光の戦士というコンセプトは数あるヒーローモノの中でも文字通り輝いている。あれだけメチャクチャやってそうなマーベルでも、似たようなモノは見当たらない。
欧米の「分からないのもの」を徹底的にわかるものに置き換えてゆく欲求と「光の国から来たモノ」以上は掘り下げなくてもストレスを感じない日本の違いだろうか。
ウルトラマンにはそれほど思い入映画の見え方的にスタッフ的にシン・ゴジラとついつい比べてしまうが、そういうもんでも無いかもしれない。その辺はシン・仮面ライダーまで答え合わせは保留。とりあえず今作はシン・ゴジラとは比べない方が楽しい。


映画的には、幾つかのエピソードが単発的に(もちろん通して収束に迫っていく作りではある)繋がっているので背骨と言うか何の話なのかがいまいち分からず。それがテレビシリーズっぽさがでててアリかと思う。
ウルトラマンの質感なんかのビジュアル表現や重力を逸脱したモーション表現が異星人ぽくて良かった。異質感が伝わってきて良い。
強い戦士だと思うが肩の力の抜けた佇まいが、欧米のマッチョ指向とかけ離れていて新鮮でいい。
焦らず騒がず悟りを開いた覚者風。メガテンの天使ニュアンスにも通じる。感情を配した合理的な知性の佇まい。


お話は結局ウルトラマンの罪滅ぼしのようなものがテーマなのだろうか。ウルトラマンのせいで太陽系が吹き飛ばされることになったけど、ウルトラマンは命をかけて地球を守った。のはなんとなくわかった。けど結局なぜウルトラマン(とメフィラス星人)が地球まできたのかピンとこなかった。
普通にリアが天の川銀河の保守担当だったからということでいいのだろうか。もしくは、ファンには今更説明するまでもないニュアンスみたいなのがあったのだろうか。あのウルトラマンをちゃんとやるというのは、制作上のコンセプトだが、映画作品のコンセプトとは違う気がする。


前振りが物足りない気がする。イマイチ追い込みが足りないのか緊張感が出ず、せっかく用意されたおとぼけキャラも息抜きにならず。ちょっと残念。
長澤まさみもキャラがいまいちわかりづらい。有能なのかやり手なのか美人なのか、頼りになる相棒なのか唯一の相棒なのか熱い相棒なのか。もうちょっと美人に撮れば良いのにとも思う。バディ感のあるシーン一切無かったから、バディ設定が前フリにもなってない気がする。他が忙しすぎたか。


キャラクターとしては、ネタもりもりだけどやはりメフィラス星人が良かった。

初代ウルトラマンへの憧憬が制作動機だと思う。
それとアップグレードした特撮感。日本の特撮で発達したリアリティの担保の仕方が面白い。模型だけど、爆発はしている。と言うような。今作は結構CGが多かったと思うが、CGで模型のリアルを追求すると言うのも面白い。


演出も絵面も「シン・ゴジラ」がどうしても比較としてチラついてしまい難しい。シン・ゴジラにもっと寄せるか、もっと離すかでもよかった気がする。科学特捜隊の変な車とか飛行機とか光線銃のアップデートはあってもよかった気がする。あの戦闘服とか。


たたき台の庵野脚本をそのまま撮っちゃった感じもする。


音楽ももうちょっとウルトラマンでアガるタイミングで気持ちよく聞きたかった気がする。せめてあのテーマソングはいいとこで流して欲しかった。流星マークのバッチもしてるんだし。


○企画意図

円谷(の版権を持っている人たちが)シン・ゴジラと同じ夢を見たかったのだろう。もちろん庵野もやりたかったのだろうが、監督を樋口さんに譲ったあたりはどういう経緯があるのだろう。企画としては、シン・ゴジラ+ノーランのDC アプローチがあったのではないかと思う。ファンの数が見込める手硬いコンテンツをリアリティを持ってリブートするのは、工業的にもバットマンで成功してますぜ、旦那。というイメージ。


○見どころ

何と言っても特撮感。ギャレスゴジラ、シン・ゴジラと特撮作品のリブートが成功を収めている中、特撮は特撮でも「あの時のウルトラマンの特撮を再現する」というフェテッシュアプローチ。マニアじゃないので詳細はわからないが、あの時のあの感じに触れられてワクワク感はあった。子供にどう見えてるかはしらない。

とにかく、怪獣、外星人、ウルトラマン、スペシウム光線などなど、デティールが楽しい。

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