第119話 クラトス
穏やかな笑みを浮かべた男……クラトスに対してクレスは怪訝な顔をしている。
「クラトスさんですか……? すいません、どこかでお会いしたことがありましたっけ?」
「ああ、すまない。ダークネスの友人と言えばわかるかな?……よかったら、とある事件について話を聞きたいんだが個室でどうだい?」
「事件ですか……」
いきなりやばい話をぶっこまれたクレスの警戒心が上がっていくのを感じるがクラトスと名乗った青年は不思議なほどさわやかな笑みを浮かべたままだ。
「お兄様どうしましたか?」
「いや、なんでもないよ。クレスはその人と話してきたらどうだ?」
そんなやり取りをはたから聞きながら俺はポーカーフェイスを維持するのに必死だった。クレスはしらないかもしれない。だけど、ゲームをやりこんでいた俺はその正体を知っているのだ。
「確かに、ちょうどいいですね、クレスはそちらの方とお話をしてきたらどうでしょうか? 私はお兄様とデートをしていますから」
「え……それは……」
「は? リア充か、爆発しろよ」
「「「え?」」」
「ああ、失礼……気にしないでくれると助かる。病気のようなものでね」
突如吐かれた暴言に俺たちはいっせいに怪訝な声をあげる。その当人クラトスは先ほどの暴言が嘘かのようにさわやかそうな笑みを浮かべていた。
フィリスがどうしよう……とばかりに目で助けを求めてくる。いや、気持ちはわかるけど、できれば敵には回したくないんだよな。この人……
ため息をつきながら、俺は迷っているクレスに助言をしてやる。
「クレス、彼は大丈夫だと思う。話をしてほいた方がいいと思うぞ。そして、俺にも話した内容を俺にも共有しておいてくれ」
「僕に面倒なことをおしつけようとしてません?」
「いや、お前のお客だろうが……」
クレスにツッコミをいれつつ俺はクラトスと話すようにアドバイスをすると、しぶしぶとクラトスの方へ向かう。
「いらっしゃいませーー、使い魔♪」
そんな彼らが「VIPルーム」という部屋に入ったと同時に、まるで魔法のように魔女や魔法使いの格好をした店員たちが姿を現して歓迎のことばを言ってくれる。」
ノリはメイド喫茶である。
「お兄様……さっきの人はなんだったんですか?」
「気にするな……それよりもプレゼントをくれるんだろう? たのしみだなぁ」
「そんな……たいしたものじゃないですよ。えへへ」
可愛らしくはにかむフィリスを視界にとらえながらクレスたちが入った部屋を見つめる。
クラトス……彼は現在のゼウス十二使徒第一位にて最強の戦士であり……ゲームの途中でハデス十二使徒三人をまき沿いにしてにはその命を落としていた人物なのだ。彼らは一体どんな話をするやら……
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まあ、十二使徒がまともなはずはないですよね……
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