第168話 なぜ新大久保なのか
今日、情報バラエティ番組で若い女性が「新大久保・通」とみずから名乗っていた。
東京の人、バブル期頃まて東京で過ごした人は、若い女の子は口が裂けても言わない話だった。
なぜなら、新大久保は2000年頃まで東京23区の西側で最大の風俗街だった。
はっきり言えば、ソープランド。石鹸の国であるから、その当時までお金の無い学生はいかない。
新宿歌舞伎町とつながっているから、下手に入ってボッタクリに会うのが怖いから足を踏み入れない街だった。
ぶっちゃけ、在日韓国人、朝鮮人に対する差別はもっとひどい時代だったので、いわゆる集まってくる地域だとも言えた。
その時代から比べると、だいぶ進歩したものである。
新潟市内にも朝鮮学校があるが、現在は公立学校で学ぶことを選ぶ親も増えて、学生はほとんどいない。映画監督の李相日氏の父親が校長だった伝統ある学校であるが。
ただ理解が進むことは悪いことではないが、韓国の話題を本人から語りたくない人もいて、実は韓国系である人に限って「韓国推し」とは言わない傾向も見える。とくにココでは。いや、おおっぴらに言って差別される時代じゃないのだが、その恐れも少しはあると思うし、そして基本は郷に入って郷に従うのを徹していると思う。
実際に中国出身の人も中国推しとは言っていないようだ。
韓国文化に夢中になってるのは、日本人ばっかりなのか、と。
ここ新潟では比較的製造業、それもBtoB(企業と企業の取引)の会社が多いので、一般から見れば「メイド・イン・新潟」の製品は何があるの?と思う。
それもそのはず、大手検索サイトや情報番組では、コス〇コ、ドン〇ホーテ、アパレル、どこがコスパ良いか、そんなニュースばっかりで、テレビドラマやアイドルまで輸入品ばっかりになった。コンビニ店員も外国人であるのが今の東京。
韓国中国は自分の生活の品物を作ってもらっている国なのだ。
私が新潟に来て、コチラは別のベクトルでエボリューション(進化)している。今までコチラの会社は、国内大手の下請け工事だったが、国内企業が海外に出て行って、生き残るために海外企業と技術力を勝負に取引している会社がたくさんになった。
例を挙げると、長岡市の日本精機は主にホンダのスピードメーターを作っていたが、今はメルセデスやBMW、フィアットグループを主な顧客とする会社になった。
そんなこんなで、日本酒はもちろん、小千谷の錦鯉まで外国人が買い付けにくる。三条のハサミや、園芸ハサミは海外に輸出され、地ビールまで輸出している。
それどころか世界の半導体産業は新潟県の会社なくして成り立たなくなっている。
だから、「子どもはアメリカの大学にやるべきかな」なんて話になってくる。東京の学校にやるのドッチが良いか、という話だ。
これからも、ボーイングや、クライスラーや、メルセデスやインテルというお客様と付き合っていかないとならない。
韓国も大事なお客さんで、有機ELを製造する機械は新潟県で作っていて、韓国でその機械を使って有機EL画面を作っているのだ。
太平洋側は韓国中国から製品輸入国になってしまった。
一方、越後山脈の向こうの日本海側は、高度なジャパンテクノロジーの輸出国になった。
東京の流行に乗っかり易い女の子は、韓国アイドルに夢中だが、男の子達はアメリカの大学にいくか、そうしなくても済む新設の地元大学に進学しようか、というのが話題だという。
川端康成はトンネルを抜けると雪国だったと言っていたが…
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