第159話 リライト・創作論を読む

 と書くと、なんのことやらと思うかもしれませんが、rewrite、書き直すことです。


 出版社に勤めていた時に著者から原稿を電子データで送ってもらいます。

 まだバブル期直後です。

 いろんな出版社があると思いますが、基本的てテキストファイルで依頼していました。

 インデント、字下げ、タブ、割付は出版社で行っていましたです。製本した時に右左の割付方が違うので、著者がするとおかしくなるからです。


 写真やイラストを入れる場合は、写真などがある旨を指定してもらいました。


 某大手の有名出版社の単行本などは初めからフォーマットは決まってました。

 DTPソフトに依頼された原稿を流し込んで、そしてイラストや写真を割付する場所を大まかに決めて、最初にイメージを作りました。

 

 それから、原稿のチェックをします。事実誤認がないか、出展が記載されて規定の形式になっているかです。不足している場所は自分自身で調べ訂正します。

 中高生向けの科学解説の人気シリーズなのでその年代に分かりやすい表現に書き直しする作業を行います。結構大変でした。

 プログラミング言語の解説書は、ターゲットはある程度知識がある人なのでカタカナ用語だらけで問題ないとか。


 あと、放送禁止用語と言われる差別用語は削除して書き直しします。


 編集者は実質的に共著に近いような作業ですが、共著とクレジットされるのは、それなりの作者です。編集者も共著とクレジットされる場所も時としてありました。


 今は一般に「ふせん(付箋)」と呼ばれるもの、当時はまだ3Mの新商品だった「ポストイット」で著者に確認するコメントなどを貼って、最初の校正依頼をします。


 私が担当した科学単行本は、もうこの段階で、「ほとんど原形をとどめないが著者はこういうことを書きたいんでしょ?」といモノになります。今考えても爆笑でした。

 最初に校正が帰ってきた時には、ほとんどOKで、多少赤ペンが入ってくる感じでした。


 ですので、著述業を目指す人は出版社、編集社からスタートしている人が多いと思います。


 リライトを自分自身でやるのは、結構大変でした。

 昔を思い出し、締め切りに追われ徹夜とか、を思い出した次第です。

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