日々雑感・日記らしきもの

第117話 簡単に移転出来ない

　雪国は冬は雪に閉ざされるため、冬に農業が出来ないので、江戸時代から家内工業として、織物、木工、金属加工産業が発展してきました。

　理化学研究所や津上製作所は、精密加工産業にふさわしい地域として雪国に工場を作りました。その下請け、協力なと中小企業からありとあらゆる精密加工産業が雪国にできました。

　極めて精度の高い半導体用シリコンウエハの超精密加工などは新潟県や山形県、福島県に集中しております。世界中の大手半導体メーカーが使うシリコンウエハは、ほとんどがこの地域で作られています。また主要半導体製造機械などもこの地域です。人材や傘下企業のノウハウなどは簡単に移転は効かないのが実情でしょう。

　三菱マテリアルテクノはかつて半導体製造、加工装置製造の長岡市の玉川マシナリーを買収しましたが、1990年半ばに従業員の配転が持ち上がった時、何十人も一斉に辞めるという問題が起こりました。

　半導体製造材料とか産業機械は、ここ新潟県のような雪国から離れることは出来ないと思います。

　これは我が国オンリーワンの産業。シリコンウエハは我が国最大の戦略的輸出製品。

　新潟県は東日本の交通物流のハブになっていますが、最近の暖冬傾向で冬タイヤの未装着車両も増えてきています。

　雪の上は夏タイヤでは走られません。必ず冬用の装備が必要になります。

　新潟県のマヒは世界の半導体産業へのダメージが大きいのです。　

　原発事故など論外でしょう。柏崎の廃炉というのは世界中がやむを得ないと思っているのです。たとえ東京が電力不足になっても。