第31話

 前線基地にある司令部の一室、この部屋には少佐と伍長と伍長の分隊の部下達とワシの関係者しか居ない空間になっていた。


 そんな密室でおこなわれている話し合いの場に、お酒が入るとどうなるかと言うと、そこは酒飲みの溜まり場と化していたのだ。


「オジサン、このシュワシュワしたワイン、もっと呑ませて下さいよ」

「伍長、もう酔っているのか、アベ殿に失礼な言葉使いをしてはならんぞ」


 伍長を嗜めている少佐も、顔が真っ赤になっており、今飲んでいるスパークリングワインは、芳香の強い白ワインの産地であるアルザス地方の発泡性ワインのクレマンである。


 クレマンは清楚な、白い花を思わせるエレガントな香りに、口当たりも滑らかで、アーモンドを思わせる風味が余韻に残るスパークリングワインである。好みにも寄るが、好きな人は好きなワインである。


 女性に呑ませるならばと、ワシのワインセラーから新たに取り出して来たワインである。


 周りの兵士も、少佐の許しを得ており、少量であるがご相伴に預かっていた。兵卒の者達も口々にワインの味の事を話し合っており、何か酒のあてが欲しいと話していたので、ワシはガレージの調理スペースで、アヒージョを作って酒の肴に出してやると、少佐や伍長は珍しい料理に驚いていたが、アヒージョの好い香りに我慢できなくなり、取り皿にエビ・ホタテ・イカ・ジャガイモ・レンコンを取り皿に移して食べはじめだす。


「なんだ、このプリプリした触感は、この白いモチモチした物も堪らん、馬鈴薯もホクホクしてて美味い、だが、この穴が開いている物はなんだ?硬いのだが、噛めば噛む程に甘みがあり美味い」


「少佐、この料理と葡萄酒?なのですか、この組み合わせは最高にあいますよ」


 リーゼやミミを見ると、少佐や伍長と同じ様な反応をしながらヴィヴィアン達と料理を堪能して食べているのを横目に、少佐にそろそろ本題に入っても良い頃合ではないのかと催促してみた。


 このまま料理と酒を飲んで終わるだけならば、それはそれで悪くはないのだが、本題を解決しなければ先に進めないのも事実である。


「ゴホン、失礼したアベ殿、基地指令官殿や助祭様と話し合いが続いていますが、概ねの事は決まり掛けていた所に、アベ殿の件で呼び出されたので本気決まりとは断言できませんが、決まり掛けていた事をお話しましょう」


 それで、構いませんのでお願いします少佐殿。


「それでは、アンジェ様の処遇は、領主様に報告しており、その判断で処罰が決定する事が決まります。ですが、領主様が我々に処罰を一任すると言う事も考えられるので、そんな時の話し合いも進めていました。一任された場合は……アンジェ様にはアベ殿に同行してもらい、アベ殿に奉仕活動をする事を処罰にと、話し合われていました……如何でしょうか?」


 いや……如何でしょうかと言われても……ワシ困るんじゃが…… 


「旅の旅費などは、此方で用意しますので、アベ殿に負担を掛ける事はないですぞ。そして、アンジェ様が望めば、アンジェ様を好きにしても良いのですぞ。こんな好条件は滅多にありませんぞ」


 これって好条件なのですかな?


 そこにヴィヴィアンがワシに耳元に囁いてきた。


「ご主人様、これは只の厄介払いをしてるしか……私には思えないのですが……」

「そうよね。じゃじゃ馬を放逐したいだけだよね。ヴィヴィアンも同じ意見だね」


 リーゼとヴィヴィアンはワシの耳元で呟いていたが、リーゼの元気百倍になった肉棒が、ワシのお尻に押し当てられており、ワシにはそっちらの方が気がかりでしかたがなかった。


 ワシは撒きスカート越しにリーゼの肉棒を力任せに掴むと、ヴィヴィアンのお尻に誘導してやった。これで安心して話し合いができると胸を撫で下ろすが、もう一人の肉棒持ちであるミミが今度はワシの尻に肉棒を押し当ててきていた。


 ミミをリーゼの尻の方に誘導し終えると、横に来ていたマリーアンヌがワシの顔を覗き込む仕草をしていたから、ワシは耳元でミミのお尻なら良いぞと囁いてやると、マリーアンヌは嬉しそうにミミのお尻目掛けて移動していった。


 ヴィヴィアン・リーゼ・ミミ・マリーアンヌ・ジョセフィーヌ、この五人ともに酔っ払っており、顔は真っ赤にして肉棒持ちの三人はと言うと、スパークリングワインで完全に酔っ払いと化す手前だった。呂律は少しだけ怪しいが、だが、思考はまだちゃんと働く様なので、問題はないだろうと放置していたのが悪かったみたいだ。


 少佐殿との話し合いは続いていたが、横からちょこちょことワシにちょっかいをかけてくる五人が煩くて、話し合いは中々に進む気配がなかった。


 それは少佐殿の方も同じで、伍長が少佐殿の丸椅子の横で膝を付くと、何やら少佐殿の撒きスカートに手を伸ばし始めているらしく、少佐殿の声がぎこちなくなっている。それはワシも同じで、横から丸椅子の前に回っていたジョセフィーヌが、テーブルの下でワシのズボンのチャックを口で下ろし始めると、ワシの口調もぎこちなくなってしまっていた。


 少佐とワシは、お互いに顔を見やると苦笑いと脂汗を垂らしながら、もう夜も遅いのでお開きにしようと言い終えると、少佐は部下にワシ達を宿泊する部屋に案内する様に指示し終えたら直ぐに、伍長と自分の部屋へと戻ってしまっていた。


 ワシは二人の兵士の後に付いて行き、ベッドが置かれている部屋に案内されて部屋に入るや、ジョセフィーヌがワシの肉棒にむしゃぶり付く様に肉棒を口の中に入れてしまう。


 


 

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安部君のぼっきキャンプ~異世界ふたなり放浪記~ 和蔵(わくら) @nuezou

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