第19話

 ワシはヴィヴィアンを引き寄せると、直ぐに目を隠してやり、リーゼとミミに股間の肉棒を仕舞うように伝える。


「あんな、あんな物が、女の子のアソコに付いてる何って……」


 ヴィヴィアンをハグしたまま、頭を撫でてやり落ち着かせている。無理も無いな、生娘がいきなり見せられても、混乱するだけだからな。


 リーゼとミミは、ジョセフィーヌとマリーアンヌを呼んで着てくれないか。今夜はガレージの中で寝る事にするから、荷物も全部ガレージに仕舞ってしまうぞ。


「「はーい」」


 ヴィヴィアンも落ち着いたなら、ワシの手伝いをしてくれないか。


「はい、御主人様」


 ワシ達は、荷物をガレージに移すとテントを片付けてしまい、焚き火も確りと始末を終えると、ガレージに入ると全員が居るか見渡した。


 リーゼ、ミミ、ヴィヴィアン、ジョセフィーヌ、マリーアンヌ、全員いる事を確認してからガレージのシャッターを閉めた。


(ガァー、ガァー、ガァー)


 ワシはガレージの中を全員に教える為に、ガレージの中を案内する。


 先ずは此処、ガレージのホールと呼ぶに相応しい広さがある場所だった。車を奥にある専用スペースに入れれば、ホールでは車のメンテナンスや洗車も出来るだけのスペースがある。そして、カウンターが設置されているのだが、カウンターの後ろの棚を裏返せば、即席のバーカウンターに早代わりする仕組みだ。


 ホールの奥の一室には、調理スペースとトイレと風呂場にランドリースペースも完備しており、ホームパーティーをする時に大活躍した場所である。大企業に勤めていたサラリーマンが、こんな豪華なガレージを手に入れる事は無理だったが、元上司の私的なお願い事を聞いた報酬で建てて貰った。これはワシに対しての報酬としての対価である。追加で注文した品だけは自分で払ったけどね。


 元上司はボンボンの生まれだったから、無理を言って地下室も作ってしまった。地下にワインセラーとお酒の保管場所を作れた事は、ワシに取って最高の報酬だったよ。保管場所では、自家製ビール(アルコール度数1%以下)を製造していたりする。製造キットは日本でも販売されてるのが嬉しい。(※密造酒は犯罪です!)


 ホールを案内した後に地下を見せて周ると、お酒好きなのかリーゼがニヤニヤしながらワインセラーに張り付いていた。リーゼを引き剥がすと、調理スペースに行き、コンロや冷蔵庫やレンジなどを見せる。


「何ですか、何ですか、これは~♡」

「オジサマ愛してます♡」


 リーゼとミミの反応は、こんな感じであった。対して、ヴィヴィアン、ジセフィーヌ、マリーアンヌの反応はと言うと。


「御主人様、こんな場所で何をされるのですか?」

「私達はどうなるの?」

「怖いよ……」


 ワシはヴィヴィアン達三人を落ち着かせる為に、ハグをして頭を撫ぜてやる。


「「「怖いです」」」


 よしよし、怖くないから、そうだ、これでも飲んでいてくれ。


 ワシは三人に手渡した物は、お手製のジュースである。甘くて美味しいジュースを飲ませると、少しだけ震えも止まり、三人は落ち着きを取り戻していく。


 そうだな、物置に姪っ子と甥っ子が置いていった服とかがあったはずだ。それを皆には着てもらおうか、夏や冬の長期休みになると、毎年遊びに来た親族が忘れて帰った服や靴などが沢山、物置に仕舞いこんでいる。


 ワシの家が都心に近くて一戸建てだったから、都内に遊びに行っては服や靴を買って帰ってきていたな。そして、着てきた服は忘れて帰るのが定番になってた。ワシの家は物置ではないのだがな。


 その忘れ物を取り出してくると、五人に見せた。


「「きゃぁー可愛いです♡」」


「「「これは、服なのですか?」」」


 下着とかもあるにはあるが、サイズが合うかは不明だな。胸の大きな姪っ子も居るには居るが、ホック付きでは無く紐付き下着だったからな、五人で付けれない事もないだろう。下着は知らん。勝手に探してくれ。


 ワシが言うや、リーゼとミミは脱兎の勢いで、衣服が入ったダンボールを漁り出しており、ヴィヴィアン達はリーゼやミミの行動を遠巻きに眺めるばかりである。


 三人も好きな服を選びなさい。


 ふたなり族は下半身は、巻きスカートから代わる事はなかったが、巻きスカートも日本のデザインの物になっている。そして、上半身はパーカーやトレーナーに変わっていた。


 一方、獣人族の二人は、好きな服を好きなだけ着れるので、迷い続ける事になる。ワンピースを着ても可愛いし、男性物の服装になっても可愛いかった。


 それと、ふたなり族の三人が膝丈が短いパレオを見ると、腰巻の変わりに巻き始めたいる。ふたなり族は腰巻が下着の代わりの様だ。それに、ミニスカを見つけると三人は飛び付いて眺めていた。


 ミニスカを穿いたら、君達の肉棒が飛び出すから止めなさい。


「「「しゅん……」」」


 獣人族の二人を見ると、今度はフリフリの多く着いたブラウスやスカートを身体に合わせて、着れるかとうかの確認を姿見の前でしている。


 この分では、寝る間も惜しんで服を探すかも知れないな。ワシは五人をガレージ奥の休憩スペースに押し込んで、ソファの上で寝るように促してからワシも寝た。

 


 


 

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