第18話
これから、あの三人を連れてケベス国に行こうと思う。ケベス国出身の者が居れば、迷子にもなりにくいだろうし、現地人と接触もできるかも知れないからな。
「「そうだけど……」」
何が不満なんだ。不満があるなら言ってくれないか。
「それなら言うけど、オジサマとの行為が出来なくなる、って言うか、難しくはなる事はあきらかだよね」
「うんうん、オジサマと隠れてするとか考えられない。堂々と今日みたいにしたいの」
裏路地でするのが、堂々としているかは
「したくなったら、私はオジサマとしたいんです」
「私も、オジサマとしたいの」
困った。非常に困った。どうすれば二人を納得させる事が出来るのか、それを考えなければならなくなった。
ワシが紅茶を飲みながら、ポケットの中を弄ると、ポケットの中には家の鍵・ガレージの鍵・車の鍵が付いたキーアクセサリーが出てきた。
ワシは、ふっと考え込んでしまう。この世界で家やガレージが使えればいいんじゃがな。まぁーものは試しとばかりに家のオートロックボタンを押すが、何の反応もない。続いてガレージのオートロックボタンを押すと……
何もない空間から、ガレージのシャッターが出現して、ガレージのシャッターが音を立てながら開いていく。(ガァー、ガァー、ガァー)
「「なにこれ?」」
リーゼとミミは、顔を固まらせたまま、顎を開いたままにしている。
こっ、これは……ワシのガレージじゃな……
「「ガレージ?」」
うむ、この中に車と言う物や大切な物を仕舞う所なんだ。
「「宝物庫かな?」」
宝物庫とは違うが、それに近い物かもしれんな。
ワシは、二人に説明しながら、額から冷や汗をながしている。そして、声も少し引きつった感じになってしまう。
「あの、今の音は何でしょうか、ご主人様」
うわ、ヴィヴィアンまで来てしまった。どうしたものか……
「これはね、オジサマの宝物庫なのよ」
「オジサマは凄いのです」
止めてくれ。それ以上は何も言う出ない。
「凄いです御主人様、私は御主人様と出会えた事を神様に感謝します」
三人で、ワシを見詰めるのは止めろ、止めてくれ。
ワシは恥ずかしさの余り、ガレージの中に避難する事にして入ると、ガレージの中には、前の世界で乗っていた車が二台置かれていた。
一台はル゛ノ゛ーのガン゛クーⅢである。四輪駆動車・七人乗り・四速AT・五ドア・十九インチホイル・オフロードタイヤを装着させた特注品使用である。
もう一台が、日本特殊ボディーが製作したエクスペディション ウッドペッカーである。四輪駆動・七人乗り・六速AMT・オフロードタイヤを装着した災害対応型キャンピングカーである。
ガン゛クーⅢは、町乗りも出来て小回りも利く乗りやすい車である。少々の悪路ならば、簡単に進んでしまう走破性も人気の一つで、見た目も丸くて実に味があるデザインをしている。
エクスペディション ウッドペッカーは、災害対応を目的として作られた特殊車両で、荷台にはキッチン・トイレ・お風呂・ベッドが完備されている。電気はソーラーパネルが取り付けられており、その電力で賄う事が出来る。
これらの車は、まさしくワシが買え揃えた自慢の一台である。車の中を点検しても、何も以上は見受けられず。ワシが家を出かける前に見た姿のままになっていた。
「「オジサマ、これは何ですか?」」
「御主人様、怖いです」
リーゼとミミとヴィヴィアンが、
これは、ワシが所有する……車、そう、馬車だ。
「「「馬車?」」」
三人は驚いており、馬は何処だとか、幌がないだとか言っていた。
みな、少しだけ落ち着いてくれんか。ワシも少し驚いてしまい、心臓がドキドキしてる所なんだよ。
「「「はい」」」
今日はもう遅いし、皆でガレージに入ってから寝るとしよう。
「此処で寝るの」
「大丈夫なのオジサマ」
「ひぃぃぃ」
……大丈夫じゃよ……多分な。
「「多分って言った」」
「御主人様、怖いです。怖いです」
そう言えば、ヴィヴィアンの仲間の子の名前を聞いてはいなかったな。あの二人の名前を教えてくれないか。
「あっ、話を逸らした」
「これは、確実にやばくない?」
「あっ、はい、髪が銀色の子の名前は、ジョゼフィーヌ。クーリト村のジョゼフィーヌと言います。歳は十七歳で狼獣人族の出身だそうです」
あの銀色の髪の子はジョゼフィーヌと言うのか。
「もう一人の方が、マリーアンヌ。ムチャリ集落のマリーアンヌと言います。歳は十六歳で狐獣人族(母)とふたなり族(父)のハーフだそうです」
マリーアンヌはハーフなのか……んっ、そうなると、付いてるのか?
「えっ、付いてるって何がですか?」
「オジサマが言ってるのは、コレの事だよヴィヴィアン」
「そうそう、コレの事だよね♡」
二人はヴィヴィアンの前で、シュラフの前のチャックを下ろすと、元気な肉棒を取り出してヴィヴィアンに見せ付けていた。
「えっ……えっえっえっ……」
ヴィヴィアンの気持ちは分かる。ワシも初めて見た時は度肝を抜かれたわい。
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