第17話

 ヴィヴィアンは、王都近郊の町で生まれ育ったそうだ。そこから戦乱から逃げても逃げても、戦乱は追ってきてケベス国を脱出できるまで、落ち着いて寝る事さえ出来ない状況だったとか。


「あの、食事を勝手に食べてしまって、申し訳ありませんでした」


 あぁ、もう、その事は気にしないでいい。


「でも、私は盗みを働いてしまいました。衛兵に突き出されても、暴力を振るわれても、犯されても、私には何も言えないんです」


 犯されても文句は言えない?


「はい、だって大切な食料を食べてしまったのですから」


 ワシが、ヴィヴィアンを犯しても、ワシは捕まらないのか?


「はい、先に私が罪を犯してしまいましたから」


 ならば、話が早いな。ヴィヴィアン性交をワシとしてくれないか?


「えっ……でも……衛兵に突き出すだけで簡便して貰えないでしょうか」


 衛兵に突き出す事はしない、暴力も振るわない、だが、ワシは肉棒が疼くんじゃよ。こんな風に……


 ワシはフルボッキした肉棒をヴィヴィアンの顔の前で、取り出して見せるとヴィヴィアンの顔は硬直し恐怖に慄いていた。


「お許しを。お許しを。どうかお許しを。お情けを」


 ワシは首を横に振ってダメだと意思表示をすると、ヴィヴィアンの体に腕を廻して逃げれない様にした。


「まだ生娘なんです。お願いです。うぐっ、うっぅぅぅ、うえぇーん」


 ヴィヴィアンの涙を見せられては、肉棒も萎えるしかなく、ワシは肉棒を仕舞うと、チェアに腰を下ろし焚き火にあたって暖を取り出す。


「すいませんでした。すいませんでした。もうしません」


 ワシもすまん。会って早々に手篭めにしようとか、ワシは一体どうしたんだ。


 肉棒が疼いて疼いて、堪らなく性交がしたい。こんな事は今までになかった事なのに、そして、食料を盗まれただけで、生娘を手篭めにしようと、にじり寄るとかワシは気がふれてしまったのではないか、自分の心配をしてしまう。


「性交以外で、何かのお役に立てる事があれば、そちらで罪を償わせてください。どうやらアベ様は旅をしている様子、それならば、私を小間使いとしてお使い下さいまし。お駄賃とかはいりません。日に三度の食べる物をくださるだけで好いです」


 日に三度の食事ならば、問題なく出せるし、旅に同行して雑務をしてくれるのなら助かる。性交は……ヴィヴィアンがしたくなったら何時でも、ワシの方は問題ない。


「はい、ありがとうございます。ご主人様。誠心誠意お使いさせて貰います」


(クシュン)  


 その格好では寒かろう。これを使いなさい。


 ワシはリュックから冬用シュラフを取り出すと、ヴィヴィアンに着せてあげる。ヴィヴィアンは金髪の髪を肩の少し下まで延ばしており、目の色は薄い青色だった。見た目は美人系の顔立ちで、身長もリーゼに近いようだ。性格も悪くはない。


 ワシに心を開いてくれれば、ワシは何時でも受け入れるから、早くワシに心を開いて欲しいものだ。


「これは、先程の美味しい飲み物ですね」


 ワシは頷くと、ワシの分で入れていた紅茶を啜って飲む。


「何って美味しいんでしょう。こんな美味しいの飲んだ事ないです」


 ワシはニッコリと微笑むと、ヴィヴィアンの頭を撫でてやる。


「あっ、ご主人様、私は汚いですので、触れない方が良いです」


 湯浴みもしてないのか?


「……はい、寒いので水で体を拭くにも、体調の良い時を見計らいながらですので、もう数日は水浴びもしていません」


 そうか、湯浴みが出来るがするか?


「よろしのですか?あの……言いにくいのですが、私には一緒に逃げてきた仲間がいまして……その子達にも……」


 近くにいるのか、何人だ?腹は空かせていないか?


「はい、近くの裏路地で寝ています。人数は私を入れたら三人です。二人には量は少ないですが、食べさせています」


 一緒に迎えに行こうか。


「よろしいのですか?ありがとうございます。ありがとうございます」


(うっうぅぅぅぅ)


 泣かなくても良いから、早く暖かい暖を取らせてやらないと、風邪を引いてしまうぞ。


「はい……」


 ワシとヴィヴィアンは、ヴィヴィアンがねぐらにしている場所まで戻り、木箱を退かすと中から二人の女の子を連れてきた。


「このお方は、今日から私達のご主人様になるお方です。三食飢えずに暮らす事ができます」


「「ほんとうに」」


 ワシは大きく頷き、二人に菓子パンの袋を開けた状態で手渡した。


「「これは何なの」」


「これは、とても美味なパンなんです。二人ともご主人様にお礼を言わないとね」


「「ありがとう」」


 ワシは毛布を取り出すと、二人の女の子に掛けてやる。


「「暖かいね」」


「ご主人様、色々とありがとうございます」」


 うむ、テントに戻ろうか、少し冷えてきたぞ。二人にはテントの中で寝て貰おうかな。そうすれば風邪も引かないだろう。


「「「はい」」」


 ワシ達はテントに戻ると、焚き火の前でリーゼとミミが起きだしており、ワシが居ない事で心配をしていた。


「「帰って来た」」


 おっリーゼにミミ、まだ寝ててもいいのだぞ。


「オジサマが寝る番ですからダメです」

「オジサマが寝て下さい」


 うむ、そうさせて貰おうか、でも、先にこの三人を綺麗にしてから寝かせてやりたいから、湯浴みの準備をするぞ。


「「えっ?誰ですか?」」


「「「っえっっ」」」


 リーゼにミミ、そしてヴィヴィアン達三人は顔を見合ったまま固まっていたが、ワシはそんな事はお構いなしに準備を進める。


 テントをもう一組組み立てると、直ぐに中に沸かした湯が入った手桶を二つ入れて、テントの中を暖めてから二人を押し込む、ヴィヴィアンはリーゼとミミが使ってたテントを使わせる訳にも行かないので、ワシの使っているテントに入れてから、湯浴みをさせて着替えさせる。


「「オジサマ、誰なのですか、あの子達を説明して下さい」」


 ワシは、出会ってからの経緯を二人に話して聞かせたが、案の定怒り出す。


「オジサマ、疼いてしたくなったのなら、何で私の寝こみを襲わないのですか」

「そうです。私の尻穴を突きまくってくだされば、私は嬉しかったのに」


 怒る場所が……まぁ、ここは一つ、ごめんなさい。   





    

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