第7話
アレックス達は瓦礫の中を走る。ジェームズが殿となり、敵の強襲に備え警戒を怠らない。
「ジェームズ!前線基地の防衛拠点はこっちの方だったな!?」
「ああ!確かこっちだ!大体瓦礫と土煙でぐちゃぐちゃになってるのによく進めるなお前!」
「一回見たらなんとなく覚える!後もう少しのはずだ!」
しばらくして、今までよりもより入念に破壊されたと見られる場所に出る。
ジェームズが呼びかける。
「レイモンド!いるか!生きてる奴がいたら返事をしろ!」
返事はなく、静寂が辺りに広がる。
「クソッ!誰もいないのか!?」
「ねぇ、あれ…」
レナが何かに気づく。誰かの腕が瓦礫の影に見えた。
「俺が安否確認に向かう!お前達は警戒を続けろ!」
ジェームズが指示を行い、急行する。
しかし、
「マジかよクソッタレ!」
声と同時に銃声がけたたましく響く。
「俺たちもいくぞ!」
アレックスが駆け出す。そこには前線部隊の死体を貪る、鶴の魔物が10体ほどいた。
魔物は耳をつんざくような声をあげて飛翔する。
「数の上では俺たちが不利だが、やるしかない!」
全員が戦闘態勢をとるが魔物はこちらを伺うように滞空している。
「…猛烈に嫌な予感がするぜ…」
アレックスが呟く。
「…今度は何が来るのよ…?」
コユキは周りを見渡すも、蝙蝠の魔物のように影に潜む殺気を感じ取れない。
暫しの睨み合いの後、鶴の魔物が襲いかかる。
「さっきの戦闘と同じだ!術士を守りながら前衛は各個撃破に努めろ!」
「了解!」
鶴の魔物は蝙蝠の魔物よりも素早く、その嘴でコユキとスコットを狙う。
レナとアンドレが剣戟でいなすも、先ほどよりも数の多さに苦戦する。
「アレックス!ロビン!数を減らすことが最優先だ!やるぞ!」
「応!」
「了解!」
ジェームズが魔法銃の乱射で魔物に傷を与え、ロビンは正確射撃で羽を狙う。
「…炎剣・斬!!」
アレックスが剣に焔を纏わせ、態勢を崩した魔物を斬り払う。
「4体撃破!術士いけるか!?」
「いけます!凍える涙の一雫!」
「こちらも!焔と供に厳かなる風よ!」
コユキとスコットの魔法は魔物の胴体に命中し、撃ち落とした。
「残り2体!このままいくぞ!」
ぴくっ、とアレックスが何かに反応する。
同時に鶴の魔物は空高く飛ぶ。
「みんな逃げろ!何かわからんがヤバいのが来る!」
「逃げろって、どこに!?何が来るのよ!?」
刹那、遠くの方で金切り声が聞こえた気がした。
アレックス達がいた場所は強い光と爆音に包まれた。
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