第14話 その後

朝早い通勤のバス。交通マナーの悪さから急に踏まれるブレーキに、ウトウトしていた頭が起こされる。

11月の大連は、まるで冷房のスイッチを入れたかのように急に寒くなった。これから始まる本格的な寒さを予感させた。


大連での生活も、もうすぐ5年目を迎える。あの面接を受け、この会社に就職してもう26年が経った。その間いろいろな経験を積み、私は海外の新工場の顧問を命じられた。


〝何か〟がわかった後も随分長く鬱の症状は続いた。しかし原因が分かってからは、治っていくことだけを考えた。苦しみながらも〝俺は挽回できる〟というもう一人の私の声を信じて生きた。


そして悪魔は去った。


今、私は幸せだ。



会社で食事を済ませ、同僚と一緒にコーヒーを飲んでいた時、同僚がブログを始めたことを教えてくれた。


「俺も何か書いてみようかな。」

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