第4話 出会い
「おはようございまーす。」バイト先に着いた私は入り口の休憩室に入った。
そこに初めて見る女性が座っていた。小柄で髪の毛が長く、清楚な女性。一目でかわいいと思った。同じ年くらいだろうか。
「新しく入ったの?よろしく。何歳なの?」
その頃はバンドもライブハウスでのレギュラー出演が決まり、私は自信に満ち溢れていた。
「何歳だと思う?」彼女は聞き返してきた。見た目の印象とは違う芯の強そうな口調。
「俺と同じ年くらいかな。21くらい?」彼女の口が少し緩んだように見えた。
「25。あなたは21?なんかチャラチャラした感じね。」余裕の笑顔だった。
年上かー。
バンドだけじゃない。当然恋愛もしたかった。ただしその頃、年上の女性との恋愛は私の想像にはなかった。彼女の余裕のある態度に初めて年上の女性の魅力を感じた。バイト先で会う回数が増えるにつれ、私は彼女に惹かれていった。
1ヶ月も経つと、バイト先で私と彼女を含む男女4人が仲のいいグループとなった。そして4人の休みが合う日にご飯を食べに行くことになった。
待ち合わせの駅前。もう1人の女性が先に着いて待っていた。私が声をかける。彼女をナンパしようと考えてたのだろう周りの男達のガッカリした空気が露骨だった。
4人で食事を終え、カラオケに行った後、お互い帰路に着いた。
向こう側の駅のホームに立ち、ホームの柱に肩を寄せる彼女が見えた。少し酔っているのだろう。ピンク色の頬で私に小さく手を振った。かわいかった。愛おしいと思った。
このまま友達じゃいやだ。彼女と付き合いたい。
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