第9話
「うーん、別にいいけど、代わりに何してくれる?」
「えっ、ナミいいのか?」
俺はナミに聞いたが、にんまりした顔をしてパープリープと交渉しようとしていた。
「うーん、この世界の事とか教えて上げられるかな」
「じゃ、それで!あ、でも上げる前に調整させてね、大きさとか・・・あと、そうね。服も作ってあげるわ」
「え、いいの?」
「その代わりいろいろ教えてね」
まじか、それ作るの俺だろ・・・偵察型だから、潜入可能なナビにアップデートされてるから間違いなく作るの俺だろう?
「じゃ、レンツよろしく」
「はい」
ナビ、軽装備用一式とヘッドギアのサイズ調整お願い。
・・・該当素材作成に樹木、四足歩行の中型生物一匹で製作可能。
「ちょっと調達してくる」
「じゃあ、待ってるね」
「よろしく~」
何者かわからないが、武器も持っていないし、服装もボロボロだし脅威にならないと思い、森に入って狩りをし、樹木一本から軽装備を作成することにした。この偵察型だとある程度の物質変換が行えるので、生成が可能だ。強襲型だと周りの物質から弾薬など生成できるのだが、素体によって特化具合が変わってくる。
よし、こんなものかな・・・事前にスキャンしていたし、サイズは大丈夫だろう。服のデザインは登録されていた軽装備標準型にした。
数十分もしない内に戻ると、二人は楽しそうに会話していた。あとで何を話をしていたのか共有してもらうとしよう。
「戻ったぞ、ほら服だ。サイズは合ってるはずだから」
「おお、ありがとう!」
その場でぼろ布を脱ぎ捨て、素っ裸になり生成した服を着用する。頭の角が邪魔にならないように生成はしてあるので問題なく着こなした。男か女かわからなかったが、あるものがついていたので男だとわかった。ナミが凝視していたのが気になったが、サイボーグ素体にそもそもついてないことが多いので初めて見たんだろう。
「おお、なかなか着心地いいね」
「ナミ、そのヘッドギアを」
ナミがヘッドギアを俺に渡してくれたので、パープリープの頭に合うようにサイズを調整し、物質変換してぴったりと合うようにした。
「これでよし」
俺は調整したヘッドギアをパープリープに渡し、彼は頭に装着した。するとさっきのような違和感があった。
計測不能、異常値なし。
ナビに問いかけてみたが特に何も感知していないため、第六感的なものかと思った。ナミもきょろきょろとしているが具体的な答えが得られていないので首をかしげていた。
「それじゃあ、この世界の事なんでも聞いて」
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