第10話
「魔界って何?」
俺とナミ、そしてパープリープは適当な石の上に座りながら、彼に質問することになった。彼の口から得られる情報が嘘か本当か、信ぴょう性は、という点はいったん考えるのをやめて、保留とした。
「君たちがいた世界は別の世界、ここが魔界と呼ばれている。ちなみに君たちがいた世界は機界と呼ばれてる」
「どうやったら元の世界に戻れる?」
ナミはすらすらと質問が出てくるあたり、すごいなと思ってしまう。別の世界って何?って俺は聞きたくなってしまうからだ。
「異世界転移ゲートをくぐれば元の世界に戻れると思うけれど、そもそもゲートが常時解放されていなかったり、不安定でどこかにいきなり出現したりしてて、実際にゲートをくぐっても元の世界に帰れる保証はない。つまり、ゲートをくぐっていけばいずれは元の世界に帰れる」
「人為的にゲートを出現させる方法はある?」
「存在はしているけれど莫大なエネルギーが必要、そっちの世界のエネルギーだと反物質がいくつか必要になるレベル」
反物質が必要になるレベルと聞き、顔が引きつった。
「どうしてヘッドギアが欲しかったの?」
「ふふん、実は力がありすぎていくら制御しても醸し出されてしまって、滅入ってたんだ。異世界の物だったら、制御に使えるって知っていたから、それで欲しかった。そして服も用意してくれて改めてありがとう」
「力を制御ね、これからどうするの?」
「今まで力があふれ出ててそれが弊害になって世界を見て回るってできなかったから、旅に出るよ。なので質問が終わったら出発する」
「よかったら、一緒に来ない?」
ナミがとんでもない誘いをしやがった。いや、ここに詳しい人がいればいろいろと便利だから、誘うのはありだな。
「自由気ままに一人旅をしたいから、遠慮しておくよ。誘ってくれてありがとう」
「あら、それは残念ね。ところでこの世界に異電子(ディファ―)という生物はいるかしら、見た目は人型なんだけど相対すると中から裏返って大きくなって、なんか気持ち悪い形になる生物なんだけど・・・」
「そいつらやそれに似たような生物は存在しないよ。そこは保証する」
「なぁ、俺からもいいか?お前は何者なんだ?」
パープリープはにんまりとし、機嫌よく答えた。
「この世界の神様さ」
俺はサイボーグだが、頭が痛くなった。
ストレス検知、精神安定剤および頭痛薬投与。
ナビが気遣ってくれた事で、頭痛が和らいだ。
「わぁ、すごい」
「あ、信じてないなーまあ、いいけど」
いいんかい!とさすがに口には出さなかった。自称神とか死亡フラグを立てるやつや死の間際に言う言葉だ。
「じゃあ、神様ならこれから私たちどうすればいいかしら?元の世界に帰れる保障がないから」
「う~ん、この世界で好きにしたらいいんじゃないかな?」
やっぱこいつ神様じゃないな、自称してる謎の住民だ。
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