第6話
ナビに聞いたところで帰還方法が不明と返された。
「というか、どうやってここに来たんだ?」
ナミは立ち上がり、腕を組んで不機嫌そうにしながら答えてくれた。
「調査班は何が起きたのか調査して、計測結果が出たのだけども重力力場の異常値が一瞬発生して、次元断裂を引き起こしたと言っていたわ。極小ブラックホールだとか、神隠しだとか、転移の可能性を示唆していたわ。状況が改善しないから、サイキック使って消えた時の状況を再現してみたら、私がここにいるってわけね」
「すまん、なんて?」
「何よ、困ってると思って装備着こんでで来たのよ。それで・・・ここどこ?敵は?」
「わからん、敵はいない」
「そんなわけ・・・」
ナミはあたりを見渡し、首をかしげていた。
「確かに敵の気配というか、引っかからないわね・・・ていうか、ここかなり広い空間だけど、なにここ?」
「おそらく地上なんだろうが、脅威となる敵がいない。襲ってくる生物がいるが、とてつもなく弱い」
俺は四足歩行の生物を指さし、ナミに教えてた。
「これ感じた事のない生物ね・・・生物兵器だと浸食されて裏返る危険があるから中止になったはずだし、それに三体とも個体差あって、培養された生物兵器じゃないわね。えっと、本当にここどこ?」
「いや、俺に聞かれてもわからん。ナビも現在地不明としか返ってこないしな」
しばし、お互い沈黙した。ナミもよく来れたなと思うが、まさか帰還方法よりも生存状況を気にしてくれて援護に来てくれるとは嬉しいと思った。何せ、強襲型の義体じゃないから不安だったんだよな、といっても最新型の義体だった。
「あ、そういえば、この義体が最新型なのか?第五十世代型だったんだが、何か知らないか?」
「さぁ?知らないけど・・・」
「そうか、さてとりあえず・・・これ食べる?」
俺は四足歩行の生物の死体を指さし、ナミに食事を勧めてみた。
「おいしいの?」
「焼けば軍用レーションよりうまかったぞ、合成肉じゃなくて本物の肉だしな」
「ふぅん、じゃあ頂こうかしら」
俺たちは焼いた肉を食べながら、今後について話し合った。ナミはおいしいと言って、食べ終えた後に、食べきれない分の保存しろと言うので方法などナビに聞いて、それに従って対応した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます