第5話

 ナビに従って、サバイバルするために拠点づくりと地形確認、外敵の存在の確認、エネルギー摂取可能物の確認など行った結果、空がある地上にいることを知った。今まで異電子(ディファ―)との戦いで地下生活を余儀なくされていた。

 

 この場所の情報を得るために、あたりを散策しているのだが、人工物が見当たらない。

 

「まさかここが地上だとはな・・・」

 

 地上だとしたらおかしい。地上はそもそも敵が占領していて、活動するにも戦力がないと到底こんな風にサバイバルなんてできやしないはずだ。

 

 生命反応感知、四足歩行型が接近中。数三体。位置は九、十二、三。

 

 俺は素早く、レーザービームソードを持ち、立ち上がる。このエリアで散策している中で好戦的な生物がやたら多いが、どれも異電子(ディファ―)と比べると各段に弱く、一撃で決着がついてしまうのだった。

 

 照合確認、データベースと一致、脅威判定なし。

 

 散策した際に出会ったタイプと同タイプだとわかると、草むらと木々の影から二体九時の方向と十二時の方向から現れる。そちらに気を取られている隙に三時の方向から襲ってくるつもりだとバレバレだ。

 

 瞬時に三時の方向に駆け出し、レーザービームソードを敵の頭めがけて振り下ろす。当たる瞬間だけ出力し、省エネで倒す。九時と十二時にいた敵も慌てて俺を狙ってくるが、振り向きながらレーザービームソードを横なぎし、当たる瞬間だけ出力し、頭を潰した。

 

 どさりと音を立て、横たわる四足歩行の生物を見て、ここはどこなのだろうと改めて思うこととなった。

 

「ほんと、ここどこなんだ?」

 

 目の前の敵対行動をとった生物は、ねじれた角が頭部から出て、四肢や体格など筋肉のつき方が狩りに特化していた。しかし、軍で昔作成されたキメラ生物に比べて筋肉量があるものの弱い。内臓武器や自爆装備もない、培養生物じゃないのか?

 

 とりあえず、倒した生物の解体や処理をナビからうるさく指示が出ているのでレーザービームソードを使い処理し、拠点へと持ち帰ることにした。

 

 三往復し、拠点でより細かく生物の肉の仕分けを行い、火を起こし肉を摂取することにした。

 

「最初、生で食べていたが・・・焼くと美味いんだよな」

 

 重力センサー異常発生、空間座標値異常発生、前回と類似現象。

 

 即座に食べているものを飲み込み、あたりを警戒し、レーザービームソードを持ち、またどこかに飛ばされるのかと考えた。

 

「きゃっ!」

 

 すると自分が飛ばされた場所にナミが現れた。うまく飛ばされていないのか、尻もちをついていた。

 

「ナミ、大丈夫か?」

 

「痛てて・・・って、レンツこそ大丈夫!?」

 

「いや、大丈夫だけど・・・ここどこなんだ?」

 

「え、私だって知りたいんだけど?なんで戻ってこなかったの?」

 

「えっ、どうやって戻ればいいんだ?」

 

「えっ」

 

 帰還方法検索・・・不明。


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