第4話

 内蔵されているナビが情報を拾ってくるものの、現在地は不明のままだった。ミニマップを表示させても、視界内の情報からマップが新規に作成されるだけで、自分を起点とした情報が更新されるだけだった。

 

 完全なスタンドアローン状態なんて、訓練時以外初めてだ。この偵察型の燃費を考えると、数週間は活動可能だろうが、エネルギーの摂取が問題だな。

 

 植物などからのエネルギー摂取可能。エネルギー効率は一度摂取後に計測可能。

 

「そこらへんにあるものから摂取して確認する必要があるのか・・・この草からいってみるか・・・」

 

 俺は勇気を出して地面に生えている草をむしり、口に含み飲み込んだ。なんとも言えない味が口の中に広がり、軍用レーションの方がマシだという思いがこみあげてきたのだった。

 

 スキャン・・・常時服用し摂取することで活動時間を延長することが可能です。

 

 食い続ければ最悪、活動停止には至らないことを知ったので少しだけ余裕が持てる。となると次は拠点を作り、状況を把握していかないといけない。

 ホーム拠点内だったのと、任務がなかったのもあり、最低限の装備しか身に着けてない。何より偵察型の義体につける装備なんてたかが知れている。

 

 装備確認。

 

 内臓装備について・・・第五十世代型強化可変骨格偵察型、第五十世代型左腕特殊武器内臓型義腕、第五十世代型ハイブリッドサイバネティックス、第五十世代型ナノマシン、第五十世代型偵察特化ナビAI

 

 んんん?ちょっとまて、俺は第四十三型のサイボーグだったはずだ・・・七世代も先の装備はあり得ないだろ・・・いやそこもだが、代替義体にそんな装備がおかしい。

 

 外装装備について・・・綿百パーセント下着類、第五十世代型軽装備一式

 

 え、この装備って最新型だったの・・・。

 

 携行兵器について・・・左腕部内にレンツ専用第五十世代型レーザービームソード

 

 俺専用だと・・・俺の戦果を考えると専用装備なんて支給されないし、そもそも代替義体にそんなもの仕込むのすらおかしい。

 

 確認、当義体の支給ルートおよび任務。

 

 俺はナビに確認することにした。

 

 機密事項のため、開示不可。

 

 はい、機密事項きました。わかってました。わかってましたよ。俺は思考を切り替えて、拠点づくりをすることにした。幸いにもレーザービームソードを持っているから、いろいろどうにかなるだろう。スコップとかあれば、掘るのが楽だったんだがな・・・と思いながらレーザービームソードで地面をブロック状に斬り、塹壕を作る事にした。

 

「あれぇ・・・これ崩れるな・・・」

 

 鉄鋼などの素材でないため、塹壕を作成する場合は作成工程が異なります。

 

「えっ・・・」

 

 そのあと、ナビに従って樹木や草などを利用した拠点づくりを行った。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る