第3話

 ナミ、彼女のフルネームはヒショウ ナミ。長身で銀色のような白髪で腰まで届くロングヘア―、眼はサイキックの使いすぎかなんかで失明して盲目になったと言っていた。見えなくてもサイキックの力で以前よりもよく見えるとかなんとか・・・。

 

 バグってんじゃね?と冗談言ったら、ランドリーの刑と言われて空中でランダム回転させられたっけ・・・。

 

 容姿は美人で今時は珍しくサイバネテック技術で人体強化もしてないサイキッカーだ。素質が高く、サイ能力向上鍛錬も日々やっているらしく結果や評価が落ちない限りは改造したくないとかこだわってる。

 

「それにしたってよぉ、お前その義体は笑えるな!アッハッハッハ」

 

 回り方もネタにされる。酒場なんて来るんじゃなかったと思ったが、帰還したら帰還祝いをし、また生きて帰ってくるための大事な儀式だ。

 

「うるせぇな、しょうがねぇだろ。それよりなんかよこせよ」

 

 帰還祝いは、酒を飲むものだ。ってこの偵察型って飲めるのか・・・?

 

 可能、ただし即座に分解されエネルギーに変換されます。

 

 おお、強襲型と変わらないのか、よかった。

 

「はい、甘い炭酸ジュースよ」

 

「わーい、ありがとう!・・・ふっざけんな!酒だよ!酒は!?」

 

「「アーッハッハッハッハッ」」

 

 ちくしょう、早く元の義体に戻りたい。まあ、出されたら飲むのが帰還祝いの礼儀なので、受け取って飲む。

 

「じゃあな、また次の任務でな」

 

 同じ強襲型のサイボーグ仲間と解散し、残ったのはサイキッカーのナミと二人きりだ。

 

「今日はありがとうな」

 

「う、うん。いいのよ」

 

「ん?どうした?」

 

「あ、あのね。実は話したい事があって・・・」

 

 重力センサー異常発生、空間座標値異常発生、ネットワーク接続状況エラー発生。

 

「まて、何かおかしい・・・敵か!?」

 

「えっ?:

 

 あたりを見渡したら、酒場の目の前にいたはずが、気づいたら・・・見知らぬ場所だった。

 

 現在地不明・・・ネットワーク接続・・・応答不可・・・スタンドアローンモードに移行します。

 

「どこだここは?」

 

 思わず、言葉を発してしまう異常事態だった。あたりは見た事のない規則性のない造形物、ファンなどから発せられる風ではなく、これも規則性のない風・・・。それにこの臭いはなんだ・・・?

 

 データベース照合、臭い不明。毒素なし、細菌感知。

 視界内にある物体、植物、危険度不明。

 

 植物?植物だと?

 

 該当、樹木および草花。

 

 樹木に草花だと・・・将軍クラスじゃないと閲覧不可のものだぞ、それがあたり一面にあるということは、ここはどこだ?

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