第2話

 修復完了、起動します。

 

 スリープモードにしホームへの自動帰還がうまくいった事がわかった。うまくいっていなかったら、途中で死んでいるか、エラーで起こされるからだ。義体の修理もナビから修復完了と言われ目を開ける。

 

「起きたか、一応元の義体は破損率がひどかったから、修理完了するまではそのスペアの義体に移し替えておいたからな」

 

 修理兵の声が聞こえ、ポッドから出ると思いのほか身長差があることに気づき、自身のナビで義体のステータスを確認したら・・・。

 

「なんじゃこりゃあ!?」

 

 今まで強襲兵の義体、二メートルちょっとの身長と人工筋肉を各所に多めに、クイックブースト用の噴射口など各所標準装備されてるはずが・・・。

 

「おっさん、修理兵のおっさん!なんで偵察兵型の義体になってんだよ!」

 

「代替素体はそれしかないんだ。文句言うなよ・・・ちなみにそれ最新型だから」

 

「うひょ~!最新型!・・・じゃねえよ!んげ・・・しかも声帯も子どもっぽくなってるじゃねえか」

 

「まあ、短い期間だが我慢するんだな」

 

 見た目は青年、いや少年になっていた。今まで人工筋肉でモリモリした安心感あるパワーとディフェンス、そしてクイックブーストによる機敏性をもった屈強な強襲兵型ではなくなっていた。

 

「嘆いても仕方ねぇか」

 

「いい休暇だと思って、楽しむんだな。ガッハッハッハッ」

 

 笑い声をあとにし、少年のような身体になって修理区域から出るとそこには同じ兵士のナミがいた。スラッとした美人でサイボーグではなくサイキッカー兵士だ。高いサイ能力があって、前衛の自分と後衛のサイキッカーでバランスがよく、何度か一緒の作戦で顔見知りだ。

 

 大方、俺が負傷して自動帰還で帰ってきた事を噂で聞いたのだろう。

 

 以前の身体だったら出迎えありがとうとか死にそこなったから何か奢ってくれとか言葉を交わすが、さすがに今のこの少年のサイボーグ義体では何か恥ずかしくて無理だ。なので無視しておこう、見た目も違うし絶対にバレない。

 

 すすすーと横をすり抜けようとしたら、地面から足が離れ踏ん張れなくなった。

 

「ねぇ、無視はひどくない?」

 

「あ、あのどちら様でしょうか?」

 

「レンツぅ、わかってるのよ。いくら私の眼が見えていないからって容姿というか義体変わったくらいで醸し出してるオーラくらいわかるわよ」

 

「んげぇ」

 

「何よ、無事でよかったじゃない。お帰り」

 

「へい、ただいま」

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