第14話 辺境伯レオン・バルトロッテ

 セバス「お帰りなさいませお嬢様」


「「「「お帰りなさいませ」」」」


 うわー、リアル執事とリアルメイドだ


 アリス「ありがとうございます。こちらが蓮様で私たちのことを助けていただきました」


 セバス「セバスと申します。この度は誠に感謝いたします。旦那様がお待ちですので、どうぞこちらへ」


 あれ?いきなりご案内?忙しいんじゃないの?まあついてくけどさ。


 蓮「よろしくお願いします」


 へー。こういう感じなんだな。美術館みたいな感じだな。ごてごてもしてないし、そうかといって質素でもない。

 品があると言ったらいいのかな。よく美術館や博物館はいくことが多かったけど、そんな感じだ。


 あっ企画でいった金持ちお宅訪問じゃないよ。あっちのはおしゃれだけど厳かって感じじゃないしたまにぶっとんでるからね。

 おもしろいけど。


 コンコン


 セバス「お連れいたしました」


「入れ」


 ぽいなー。いちいちぽいよ。映画?って感じだ。


 レオン「よく来てくれた。そして娘たちを助けてくれて感謝する。レオン・バルトロッテだ。かけてくれ」


 蓮「レンと申します。失礼します」


 おーいいソファ使ってんね!


 レオン「まずは早速ですまないが謝礼の話からさせてもらいたい。ポーション代も含めてこの額でよろしいかな?」


 蓮「はい。問題ありません」


 俺はテーブルにおかれた革の袋の中身を確認することなく答えた。


 レオン「中身を確認しなくてもいいのかな?」


 蓮「ええ。元々はポーション代のことから始まりましたし、私としては、元手もかかっていませんし、相場も解ってませんので、謝礼も込みなどとなったらなおさら分かりませんし。すでに倒した魔物は頂いてますのでいくらであっても構いません。むしろ金額を確認してその反応で私の性格を知られる方が好みませんし」


 レオン「なるほど。金額の方は話を聞いて私が、、、もういいだろ?蓮くんもリラックスしてくれ。試したりとかじゃなくて貴族の習わしなんで勘弁してくれ。だが話を聞いてちゃんと相応の額をいれてあるから安心してくれ」


 蓮「お言葉に甘えて。あーほんとに全然いくらでも構わないですしね。そりゃおおけりゃ嬉しいですけど、元々自力で這い上がるつもりなので問題ないです。」


 レオン「そりゃいいな!で、アリスから聞いたが俺に聞きたいことがあるんだって?」


 蓮「そうですね。何て聞かれてるか分かんないんでざっくり説明しますね。俺は転生人で、地球にいたときの仲間を探してまして、情報ないですかってことです」


 レオン「えーーーー!」


 さすが親子。


 蓮「リアクションがそっくりですね。証明する術はないと思うんですけどあるんですかね?」


 レオン「いや、一般の人間は知る話じゃないから。それに地球と言うことは今回のけんで確定だしな。でも、あんまりおおっぴらにしない方がいいぞ?アホな貴族もいるしな」


 蓮「まぁ言う人は考えますけど、どのみち商会に日本に居たときの家名つけるんで遅かれ早かれですよ。名を広げるのに仕方ないです」


 レオン「そうか。まぁ娘を助けてもらったオンもあるし知ってる情報だけで言うと、この国の王都に3人ほど居るが、名前などはまだ入ってきてないな。神託があったのは2名だけだがな。そのうちの一人が三年後に災いが起きるから保護しろと言ってるらしいけど予言の能力があるのか?」


 蓮「信託のなかった一人が気になりますが、、予言の能力はないですけど、女神様が転生先にって出してくれたリストから自分で場所を選ぶんですが、まずこの大陸の危険度は他の大陸と比べて高いのと3年は大丈夫ってのを女神様から言われてるので、それを踏まえて三年後に災いが起きるっていってるんだと思いますよ?だから具体的には何が起こるか何て聞いてません」


 レオン「なるほど。そんな理由があるわけか。だが危険度が高いのになぜ選んだんだ?」


 蓮「他の人のは分からないんで俺だけの話ですけど、今回俺たちが死んだ理由は事故なんで。仕方ないといったらそれまでなんですがやっぱり悔しくて。死んだこともだし、守れなかったことも。地球では超人的に強くなったりは出来ないんですけどこの世界ならそれが叶うそうなんで、強くなるならどこが言うかなと。そんな基準で選んだらこの地になりました」


 レオン「と言うことはダンジョン目的でこのまちに来てたと言うことか?」


 あーやっぱりそうなるよなー。まぁでもばか正直に言う必要もないかな。


 蓮「まぁその辺りはご想像にお任せしますよ。レオンさんは信頼できると思いますけど、どこから漏れるかも分かりませんし。いざというときに逃げ込めるところはさすがに秘匿させてください。」


 レオン「確かにそうだな。すまなかった。それでこの街へ来た目的なら聞いても?」


 蓮「それは問題ないですよ。教会と冒険者ギルドと商業ギルドですね。それぞれ職業解放、資金調達兼自己成長、商会立ち上げですね。」


 レオン「商会はあてがあるのか?」


 蓮「今現在は全くの白紙ですよ。これから相場とニーズを調べてですね。名を売りたいですが悪どいことも既存の店を潰すのもしたくないので、ブルーオーシャンを進む感じですね。俗に言う悪徳商会とかあったらそこの扱ってるの商品に全部ぶつけてシェアを奪いますけど」


 レオン「自信があるのだな。俺も貴族らしく噛ませてもらいたいがそう言ったのは嫌いそうだしな。ところでブルーオーシャンと言うのは?」


 おー気どってしまった。。


 蓮「えっと、簡単に言うと他の商会が取り扱ってないような物を売ったりすること何ですよ。俺しかいないからみんなうちで買ってくれるわけですしね。反対がレッドオーシャンと言っていろんなライバルがいるから勝ち残るのも大変って意味です。」


 レオン「だがそれは誰しもが思うことで難しいのではないか?」


 蓮「その通りですね。そのために情報収集ですね。あっさっきの話ですけど、全然可能ですよ。その共同経営はお互いの為にならないのでやめときますけど、俺と商会と商品をを信頼しても大丈夫だってなったならお願いしたいことはありますし」


 レオン「ほう?意外だな。頼りたくないかと思ったけどな」


 蓮「施しはごめんですけどお互いに益のあることなら歓迎ですよ。まぁよくある話ですけど、名前を使わせてもらって使用料を払うとかね、どのみちうちがいい商品を作ってからの話です。」


 レオン「とか言いつつすでにあったりするんじゃないのか?」


 蓮「いや、俺まだ5日目ですよ!魔道具を造りたいけど知識がなく調べに来てるくらいの若者ですからね。いや関係ないか。真面目な話、何が合って何がないのかがわからないですしね。むしろ、その情報がほしい!」


 レオン「それもそうだな。よし!アリスをつける。魔道具の本も持ってるし、役にたつぞ?」


 蓮「アリスさんはとても素敵な方ですが却下で。現時点で過剰な恩は作りたくありませんので」


 レオン「お堅いな~。いや、紐付きにとか囲うとかなくてだな、全くないかと言われるとそうでもないが、それよりもだあいつ、親の俺が言うのもなんだけど優秀なんよ。ただしょうもないことだけど男社会だ。なかなか活かせる場所もないし、こちとらさらさら政略結婚なんてさせる来もないのに、権力なのか容姿なのか次から次へと話が来るわけよ。蓮くんはまぁ俺の影響力の及ぶ範囲だが守られるしな。お試しにどうだ?」


 悪い話じゃないけど、そもそもの話本人はどうなんさ。


 蓮「んー貴族のご令嬢扱いはしないし、守秘義務はありますよ?親子とはいえ。それにそもそもそんなこと望んでるんですか?」


 レオン「上二つは問題ない。仮に対立するようなときは、本人の意見を尊重してくれ。あと本人の意見は本人に聞くしかあるまい。セバス。アリスを呼べ」


 気のいいおっさんってだけじゃないよな。

 まぁいいや。

 アリスさんはすぐにやって来た。


 アリス「失礼します。お呼びでしょうか」


 レオン「よし、座ってくれ。早速だが単刀直入に聞く。俺がレン君にアリスをつけようって話になったんだが、アリスの意見次第と言うことになって、どうしたいか聞かせてくれ!」


 アリス「え?え?わたしがですか?」


 いやいやおっさん。話がわかるわけないだろうに


 アリス「えっと、蓮さんの今後の活動にわたしが力になれそうなのと、蓮さんを他の貴族から守ることもできるし私の色々と困るお話も減るかもと言うわけですか?」


 おーすごい。あってるよ、、、、おっさんどや顔すな。


 レオン「まあそういうことだ。貴族令嬢として扱ってもらえなかったり、親子だからと言って情報を流すのもなしだそうだ。」


 アリス「それはそうでしょう。私は蓮さんのところでお世話になりたいです」


 レオン「学院のほうはどうするつもりだ?」


 アリス「辞めます。あまり意味がないですしね。勉学と言うよりは貴族の馴れ合いのようなものでしたし。」


 えーなにその情報ー。つかおっさん俺には伏せてやがったな。まぁ

 いいならいいけどさ。


 レオン「よしわかった。と言うわけだからよろしく頼むよ。」


 アリス「よろしくお願いします」


 蓮「一回落ち着こうか。学園がどうのこうのはこの際置いておこう。本人がいいといって保護者が許可を出してるわけだしな。だが、実際問題現時点では商会もなければ冒険者でもない。いきなりよろしくと言われても困るわけね。」


 レオン「んーなら、蓮くんは俺に仮は作りたくないと言うのも考慮にいれて、この謝礼金で、収まる範囲の物件を用意する。もちろん差額は返却しよう。そこを拠点に商会を大きくしていけばいい訳だ。それとひとつだけすまないが、アリスを貴族扱いしないのは構わないが、一人だけ供をつけさせてもらう。これは二人で同居するとその時点で婚姻したと同義と見なされるからだ。」


 ん?なにいってんの?


 蓮「いや、供をつけるのは勝手だけど通いでいいだろ。同じ街なんだし」


 レオン「それだと修行にならんだろ」


 蓮「なんの修行だよ。もう敬語も出なくなったし。まあいいわ。なら物件ね。俺の希望は広い土地だな。建物は作り替えるから要らない。壊してもいいなら合ってもいい感じ。場所はどこでもいいかな。」


 レオン「セバスあそこがいいんじゃないか?」


 セバス「焼けた屋敷のことですか?まぁ土地は広いですし、立地も悪くないのですけど荒れ地ですよ?」


 蓮「荒れてるのは問題ないですよ。壊していいのも歓迎です。」


 レオン「ならそうするか。アリスは今日中に引き継ぎさせて明日から向かわせるが、今日は泊まっていくか?」


 蓮「いえ、お気持ちはありがたいですが、教会やギルドとその場所を見ておきたいので。」


 レオン「そうか。ならセバス土地の権利書と差額と地図を渡してやれ。最後に改めて礼を言わせてもらう。娘を助けてくれてありがとう」


 蓮「受けとりました。ではこの件はこれで終わりで。」


 アリス「引き継ぎは夜で間に合いますので、教会とギルドと土地を案内いたします。それと先ほどの供を紹介します」


 蓮「わかりました。お願いします」


 なんか分からないけど、土地をゲットできたな。



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