第二章 辺境都市バルトロッテ

第13話 御約束からの辺境都市バルトロッテ

 山にトンネルをほり、入り口を偽装して、外の世界へと出てきた。

 目指すは、辺境都市バルトロッテだ。


 蓮「ここからそんなには遠くないみたいだな。長閑って感じがしていいところじゃないか」


 ラム「ますたーガウ君が戦闘音が聞こえるってー」


 ガウ「がうがう」


 あれ?喜んでるのかと思ったらそっちが理由なのね


 蓮「そりゃ、魔物も出るんだろ?戦うこともあるでしょ。」


 ラム「でもますたーが昨日の夜言ってたてんぷらだよーあっちだよー」


 俺、天ぷらの話したか?、、、あぁテンプレね。

 てことは貴族のお嬢様が魔物か盗賊か暗殺者に襲われてるわけね。。。

 まぁ名を売りたい俺としてはありか。情報をもらえるかもしれないし。

 ラム君が言う方向へ魔力探知を行えば確かに襲われてる。

 魔物の集団か。


 蓮「よし!まぁ押されてるみたいだし助けにいこうか。ちょっと距離があるから走るな!」


 こうして俺は走り出した。、、、あれ?何かおかしい気がする。なんだ、、、っあー


 蓮「ラム君がしゃべったー!」


 ラム「ますたーのまねしてみたのーほめてー」


 蓮「いやーすごいね!なるほどなるほど!確かに再現できたら話せるもんなー!嬉しいよ!ありがとう」


 ガウ「がうがう」


 蓮「ガウも教えてくれてありがとなー!二人ともいい子だ!っと着いたな、、、って盗賊に襲われて応戦中に魔物の集団に教われたのか?」


 騎士?の方々が応戦してるが旗色が悪そうだ。でも確認をしなきゃいけないんだったよな。


 蓮「お忙しいとこすみません!!手助け要りますか?ちょっと森に籠って修行してたので本でしか学んでないのでこう言うときは声かけるのが一般的と学んだのですが!!あっ俺はレンです!」


 グランド「グランドだ!すまないがてを貸してくれ!!あとで報いるから!」


 グランドさんね。いい人そうだな。でもこれでよかったみたいだ。


 蓮「了解です!俺もそこそこ自信があるので、前にでます!ちょっとヤバめな方が多いので治療を!よく効くポーションです。それと飴も特性のなのでなめさせてください!じゃあ参戦します!」


 相手はオークとゴブリンの集団だ。数が多いな。と言うかやっぱりこれがゴブリンとオークだよな。魔の森のはやっぱりおかしいのか?



 蓮「グランドさん!でしゃばりますがここは俺で充分なんで馬車の守りを!で、他の人たちは、動ける人でとっととポーションを掛けろ!ほんとに間に合わなくなるぞ!人命優先!よし、ガウ!そっちは任せる!こっちは俺な!ラム君、倒したやつは邪魔になるから一旦保管してくれ!取り扱いはあとで聞けばいいから!よし行くぞ!」


 ラム「まかせてー!がんばれー」ガウ「がうー」


 ちなみにガウだが、ブラックタイガーと言う魔物に偽装した。わざわざトラブルを招く必要もないし回避できるところは回避だ


 まぁ今までと比べて弱いよね。あっさりと殲滅が終わる。

 グランドさんの方も守りながらに解放されて本来の力を発揮したのかあっさりだ。


 グランド「すまない助かったよ。それに高価なポーションまで使わせてもらって」


 蓮「いえいえ!全員無事そうでよかったです。ポーションはまぁ請求させてもらおっかな!て言っても相場も分からない上に必要以上の使ったので、怪我した人と治療した人で、どのポーションが妥当だったか相談してもらってその金額でどうですか?その方が貸し借りなしになりますし!魔法でだったらただだったかもしれないので押し売りには違いないですけどね」


 グランド「いや、しかしな。高価なものを使わせてもらった訳だしな」


 蓮「材料が高いだけなんですよね?自分で採ったやつなんで元手はかかってないし、市場価格で俺も現金がもらえるだけで助かりますし。それよりも、さっさと移動した方がよくないですか?ダンジョン以外の魔物って結構臭いに敏感って聞きましたよ?」


 アリス「あの、お話し中に割り込んですみません。助けていただきありがとうございました。私はこの先の街の領収の娘でアリス・バルトロッテと申します。おっしゃる通りここは危険ですので、御礼の件もございますし、一度、屋敷まで一緒にお越し頂けますか?」


 うわー見事なまでのテンプレ。ラム君天ぷらじゃないって。

 まぁ予想通りではあるからいいけども。


 蓮「レンと言います。俺はそれでもいいのですが、見ず知らずの人間を招いたりして良いのですか?」


 アリス「はい。これでも貴族の娘ですので、人を見抜く力は相応に備わってるとおもいますので。ではこちらにお乗りください」


 いや、馬車はダメでしょ?ここで頼りになりそうなのは、グランドさん。


 蓮「グランドさん、、、」


 グランド「、、、すまん」


 まだなにもいってないぞ!!異世界転生したやつには強制力が働くのか?諦めるか。


 蓮「では、失礼しますね。」

 せめてクリーンをかけてから乗車した。


 皆さんアイテムボックス持ちの世界なので、処理が早い。

 すぐに出発だ。

 ちなみに魔物は全部くれたよ。


 アリス「レンさんは街へ向かわれて?」


 蓮「そうですね。目的は色々あるんですけど、街じゃないと出来ないことも多くて、出てきました」


 アリス「そうなのですね!失礼ですがそれをお聞かせ頂いても?何かお力添えが出来るかもしれないですし」


 おーぐいぐい来るね。無言よりはいいけどさ。まぁ隠すことじゃないしな。何かあれば逃げるなりすればいい。


 蓮「まずは、教会と冒険者ギルドと商人ギルドですね。あっ冒険者はどっちでもいいですけど、ダンジョン入るのに必要ならですね。教会は職業の解放。商人ギルドは商会を立ち上げようと思ってまして」


 アリス「その若さで上限に至ったんですか?すごいですね!でもそしたら冒険者一本でもやっていかれるのでは?てっきりダンジョン制覇かと思いました。」


 その若さでって、四日だからすぐだろ。無理なくやっても一年かからないんじゃないのか?ダンジョンって制覇するとなんかあるの?


 蓮「生活するのは問題ないのですけど、冒険者は資金稼ぎの一環ですね。名前を広げて、はぐれた仲間を見つけたいんですよー」


 アリス「お仲間をですか?」


 蓮「そうです!えっと隠すことじゃないし言いますけど、えっと、何て言ったかな、、、そうそう!俺は転生人でいいのかな?別の世界で死んでこの世界の女神様に転生させてもらったんですよ!で、向こうの時の仲間を探そうと思って。ただどこにいるか分からないから名を上げて見つけてもらおうと思ってます。逆に情報を持ってたりはしませんか?」


 アリス「えぇーーーー!!転生人の方なのですか??」


 きれいな人って驚いてもきれいだよな。


 蓮「そんなに驚くことなんですか?その言ってはなんですけど、特殊な能力を授かった訳でもないですし、向こうじゃ学生ですしね。外国の人くらいの感覚でいいんじゃないですか?」


 アリス「いや、地球と言う世界から来られた方々は我々よりも文明が発展してるそうで、囲おうとする国や貴族の方々が後をたちません。まさかつい先日、40名の方々が地球から来たと神託が発表されましたが、、、蓮さんがそうだとは、、、」


 へぇー神託があるのかー。


 アリス「ですが、誰がどこにと言うのは分からないんですよ。その、詳しくは分からないのですがこちらに来られる際に保護を希望された方々はその土地の領主や王や教会に神託があり直接保護されるそうなのですが。」


 あぁーあの選択ね。


 蓮「いやいや、それだけでもありがたい情報ですよ!助かりました!」


 アリス「お父様ならもう少しお詳しいかもしれませんので、確認を致しましょうか?」


 蓮「そうですね。アリス様がそうおっしゃってくれるなら是非お願いします。あっあと今のはなしからもわかると思うのですが俺は保護を望んでませんので。そこだけはお願いします。」


 アリス「敬称なんて要らないですよ!もちろん承知しておりますのでご安心ください」


 蓮「ならアリスさんで勘弁してください。


 いやーさい先いいな!おっあれが辺境都市バルトロッテかー!


 おーすごい並んでるけどさすがお嬢様!別門からすんなり入れた。


 蓮「おーー!立派で活気のある街だ!いい街ですね!」


 アリス「はい。誇りに思ってます」


 入り口を抜けると、ヨーロッパの街並を彷彿とさせる、景色だな!絵になるね!

 あそこに見えるお屋敷が領主邸だろうな。行き交う人たちも笑顔だしいい領主様なのだろう。


「アリスさまだ~!おーい!」


 街の女の子がこちらに向かって手を振ってる。

 貴族と民の距離も近いのだろうな


 蓮「慕われてますね。」


 アリス「ありがたい事なのですが、、、」


 おや?良くないのか?民選意識がある方には見えないけども。


「おおお!アリス様が男をつれてるぞ~!」


「何だって!婚約者様か?おっなかなか良さそうなあんちゃんじゃねーか!幸せにしてやってくレよー!!」


「あんた!不敬罪でしょっぴかれるよ!あっあらやだほんとに良さそうな方ね!うふふふ。」


「おめーも同じじゃねーかよ!しかもこれでしょっぴかれたらこの街犯罪者しか居なくなるぞ?」


「おい!キサマ!アリス様に、、、ぐぉ。ま、まて。暴力は良くない」


「黙れ!お前のせいで話がなくなったらどうすんだよ!あっ騎士様。これつまらないもんですがお祝いの品と言うことで」


「どこの世界に貴族様のお祝いの品に大根をわたすやつがいるんだよ!つまらないものはつまらなくないもののことだよ!


 おー強烈な感じだな。あっ、赤くなってらっしゃる。なるほど、そりゃ恥ずかしくもなりますわ


 アリス「その、すみません、、」


 蓮「あー強烈ですがいい人たちなのは分かりますよ。いつもこんな感じで?」


 グランド「いえいえ、民も使い分けますよ。それこそ先ほどの話じゃないですが不敬罪で何てこともありますしね。我々よりも敏感かもしれません。それに、間違いがあっても行けませんので、旗を掲げて警戒の必要があるかないかを知らせてます。他の貴族が訪れた際は、門兵が領主邸に先触れを出すついでに、旗と笛で知らせてます。」


 蓮「へぇーなるほど。貴族の方には特別ですってアピールにもなるし、一般の方は警戒できるわけか。いい仕組みですね。お忍びとかはどうなってるんですか?」


 こう言うのは聞かなきゃ分からないからな。


 グランド「お嬢様を前にして言うのもあれですけど、貴族のお忍びなんて忍べてないからな?」


 蓮「なるほど、分かりやすい」


 そんな会話をしながら景色を楽しんでいたら領主邸へとたどり着いた。

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