夕焼け、空のひみつきちで

 夕焼け、空のひみつきちで。

 何者にもなれないのだと嘆いてばかりいた、君をみていた。

 でもきっと君もいつか大人になって、23時にプルタブをあけては、何かを求めては諦めてしまうようなにんげんになる。


 わたしだって。

 あの時、君の手をひいていたら、それともずっと、指先だけでも。

 何か変わったのかな。


 天国にいけるのかななんて。

 言わないでいて、約束だけを胸にしまって、なんてありきたりなフレーズがこぼれる。

 君と交わした約束なんて星空の下ではちっぽけなものでしかない。

 夕暮れにのみこまれてしまった空へと。


 ただ、君が。

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