灰色の世界に寄せて
月乃
灰色の世界に寄せて
窓の向こう。
地平線は靄がかっていて、世界は相変わらず灰色のままだった。
息を吸う。
世界も私も、ただ朽ちるのを待つだけなのだった。
君ヘ。
私が生き延びることが、この星のかけらを拾い集める事になるのなら。
私にとっては本望なのだから。
目を閉じる。
ただ暗いままの世界と、君と、朽ちていく幻を見た。
星の影の向こうに。
ただ揺蕩う君の手を、握ることさえ出来たならば。
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